「自動運転」の開発スピードが加速しています。運転手無しの走行が可能な「レベル4」の本格導入が視野に入ってきました。自動運転のAI(人工知能)開発基盤を手がけるエヌビディアを中心に各社の動向をご紹介します。
エヌビディア、レベル4自動運転可能なAI開発基盤を提供
今年1月、エヌビディア(NVDA)は生成AIを応用した自動運転技術の開発基盤「Alpamayo(アルパマヨ)」を発表しました。
アルパマヨは、AIの学習だけでなく答えを導く「推論」能力を備え、人間のような判断で知覚、推論、行動する車両の開発を可能にする基盤技術です。
ソースコード(プログラム)を一般公開し、多くの開発者がソフトウエアの改良に貢献できるオープンソースAIである点に特徴があります。
オープンソース化により、エヌビディアと取引のある自動運転開発企業への横展開がしやすくなるのが強みです。
ウーバー・テクノロジーズ(UBER)など複数の企業が「レベル4」の自動運転を可能にする基盤技術としてアルパマヨに関心を示し、早くも採用に動く企業が出ています。
独メルセデス・ベンツは1月、アルパマヨを含むレベル4の自動運転対応プラットフォームを組み入れた新型「Sクラス」を発表しました。新型Sクラスでは、自動運転タクシー(ロボタクシー)の運用を想定したモデルも用意。
エヌビディアは今後、このモデルをベースに、提携しているウーバーの配車プラットフォームを通じて自動運転を提供していく予定です。
自動運転レベル
・レベル1:運転支援(運転補助機能が部分的に備わっている)
・レベル2:部分運転自動化(アクセルなど一定条件下で自動制御、運転手は介入)
・レベル3:条件付運転自動化(一定条件で自動運転可能、運転手は必要時介入)
・レベル4:高度運転自動化(一定条件で完全自動運転、運転手の介入は原則不要)
・レベル5:完全運動自動化(あらゆる条件で完全自動運転が可能)
ウェイモ、26年には東京で無人自動運転配車サービス開始も
早くから自動運転技術を開発してきた競合他社も負けてはいません。
テスラ(TSLA)は、光を使って距離を計測する3次元技術「LiDAR(ライダー)」など高コストの機能を排除し、カメラ中心のオートパイロットシステム「Tesla Vision(テスラ・ビジョン)」に基づいた車両開発を進めています。
大量のデータを学習したAIが人と同じようにカメラで周囲を認識しながらリアルタイムに経路を判断して走行するため、高精度地図なども要らず、自動運転システムのコストを抑えられるのが強みです。
25年12月にテキサス州オースティンで無人のロボタクシーの試験走行を開始。26年にテスラのロボタクシー「Cybercab(サイバーキャブ)」の量産開始を予定しています。
アルファベット(GOOG)傘下のWaymo(ウェイモ)は、AIとLiDARなどの高性能センサーを搭載したレベル4のロボタクシーをサンフランシスコなど複数の都市ですでに商用展開しています。
現在、米国の主要6都市で毎週40万回以上の乗車サービスを提供。26年には東京やロンドンを含む世界20以上の都市で配車サービス事業を展開すべく、事業基盤を整えています。
インテル(INTC)傘下のモービルアイ・グローバル(MBLY)は1月、米自動車大手メーカーがモービルアイの先進運転支援システム(ADAS)向け最新チップ「EyeQ6H」を自社のADASに採用することを決めたと発表しました。
モービルアイは提携している独フォルクスワーゲングループにも最新チップを納入する予定で、今回の米メーカーへの受注と合わせ導入車数は2000万台近くになるといいます。
自動運転は乗用車に限りません。
オーロラ・イノベーション(AUR)は、独自の自動運転システムを開発し、商用の完全自動運転トラックの実用化を進めています。
オーロラは25年にテキサス州で商用無人トラック運送を開始。公道での無人運転走行の実績を積み、26年には数百台規模の無人運転トラックを導入する計画を掲げています。
自動運転車が街中を安全に走り回る時代はそう遠くない未来にやってきそうです。