事業や業績の好材料に反応 「洋上プラント」関連株が上昇

直近の値動きから見るテーマ株/ QUICK

株式市場で「洋上プラント」関連株が買われています。QUICKが選定する関連株の平均上昇率は12.8%と、東証株価指数(TOPIX、1.7%安)に対して逆行高となりました(1月30日までの5営業日の騰落)。株価が上昇した5銘柄とその背景について解説します!

好材料発表で買いが波及

洋上プラントとは、海の上に設置される工場や設備のことです。洋上プラント関連株が上昇したきっかけは、プラント関連事業の発表や、業績予想の修正などポジティブな材料が相次いだことです。

浮体式海洋石油・ガス生産設備大手の三井海洋開発が、ノルウェーの燃料電池システム会社と次世代の洋上発電システムに関する共同開発契約を発表。また、プラント建設大手の千代田化工建設が今期業績予想を大幅に上方修正。

両社の株価が大幅高となり、その他の洋上プラント関連銘柄にも買いが波及しました。

優先株償還で復配に道筋【千代田化工建設】

上昇率首位はプラント建設大手の「 千代田化工建設 」です。1月28日、同社は2026年3月期の連結純利益が前期比約3倍の800億円になりそうだと発表。従来予想の17%減の225億円から大幅な上方修正となります。

25年11月に改定締結した米国の大型プロジェクト(Golden Pass LNG)の契約に基づいて採算を見直し、24年3月期に追加費用として認識していた約370億円を戻し入れたほか、想定為替レートを1ドル=145円から155円に見直したことも寄与しました。

また、定時株主総会での承認を前提に、三菱商事が持つA種優先株式を全株式償還することを目指すことで合意も発表しました。25年3月期の分配可能額をすべて優先株の償還に充てるため今期も無配継続となりますが、28年6月末までに財務の足かせとなっていた優先株の償還を果たした後、普通株主への復配を目指す方針を示しました。これにより、復配への道筋が明確になりました。

次世代洋上開発システムが進展【三井海洋開発】

上昇率2位は浮体式海洋石油・ガス生産設備大手の「 三井海洋開発 」です。1月27日、同社は、ノルウェーの燃料電池メーカーであるEld Energyと洋上プラントに関する契約を締結しました。

共同で、FPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)向け低炭素洋上発電設備を見据えたSOFC(固体酸化物形燃料電池)とCO2(二酸化炭素)回収設備との統合システムのプロトタイプの設計と製造を行います。

27年までに陸上運用試験を実施して、28年以降の洋上実証開始を予定するなど、実用化に向けて着実に前進していることが好感されました。

風力発電運転開始、グリーンアンモニア製造、探鉱ライセンス取得も

INPEX 」が参画している浮体式洋上風力発電所「五島洋上ウィンドファーム」は、国内初の浮体式洋上ウィンドファームとして1月5日に商用運転を開始しました。長期にわたる発電所の運営を通じて、再生可能エネルギーの普及を目指します。

日揮ホールディングス 」は1月27日に、福島県浪江町で「グリーンアンモニア」の製造を開始したと発表しました。グリーンアンモニアとは、再生可能エネルギーに由来するアンモニアのことです。

石油資源開発 」は、1月14日に在外連結子会社のJAPEX Norge ASがノルウェーにおける探鉱ライセンスを取得したと発表しました。

市場規模、年率平均で9.92%成長との予想も

市場調査会社モルドール・インテリジェンスは、洋上プラントに含まれるFPS(浮体式生産システム)の市場規模が25年の666億ドルから31年には1173億5000万ドルとなり、CAGR(年平均成長率)は9.92%になると予想しています。

陸地や浅瀬の資源が減少するなか、ブラジルやガイアナ、西アフリカで増加している大水深海域でのプロジェクトには三井海洋開発などが得意とする高度な浮体式設備が不可欠とされます。各国がエネルギー安全保障政策を進めるなか、今後も折に触れて洋上プラント関連銘柄が注目されそうです。