株式市場で「ペロブスカイト太陽電池」関連株が買われています。QUICKが選定する関連銘柄の平均上昇率は8.0%と、東証株価指数(TOPIX、3.7%)を大きく上回りました(2月6日までの5営業日の騰落)。株価が上昇した5銘柄とその背景について解説します!
衆院選の情勢調査「自民優勢」に反応
ペロブスカイト太陽電池関連銘柄が買われたきっかけは、国策支援に対する期待があらためて高まったことです。
1月19日の衆議院解散表明会見で、高市首相は、エネルギーや資源安全保障の強化を掲げ、「ペロブスカイト太陽電池の普及」を推進すると訴えていました。
今回、2月8日に投開票が行われた衆院選の情勢調査で、自民党が優勢であると伝わったことを受け、政策の推進力が増すとの期待から、あらためて関連銘柄の物色につながりました。

万博に電池を提供【フジプレアム】
上昇率首位の「 フジプレアム 」は京都大学などと連携し、ペロブスカイト太陽電池の開発を目指しています。
2025年の大阪・関西万博ではエイチ・アイ・エスやポーランドの企業と連携し、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を提供しました。電池の耐久性向上や長寿命化を目指そうと、フジプレアムが得意とする、異なる素材同士を寸分の狂いなく貼り合わせる「精密貼合技術」を応用した封止技術が採用されました。
ペロブスカイト太陽電池の普及により、同社も需要拡大が見込まれます。
原料メーカーにも注目【伊勢化学工業】
上昇率2位の「 伊勢化学工業 」はペロブスカイトの主な原料となるヨウ素の生産に取り組んでいます。生産量は世界でも10%強のシェアを誇ります。
ヨウ素の国際市況が好調で、5日に発表した25年12月期連結決算は2ケタの増収増益でした。一部の顧客向けの販売減やコスト増が重荷となり26年12月期は減収減益見通しですが、ヨウ素の市況は引き続き堅調に推移する見込みです。
ペロブスカイトに欠かせないヨウ素メーカーとしての成長期待は根強く、物色が強まる場面が目立っています。
NEDOも開発を後押し
「 パナソニックホールディングス 」はガラス型ペロブスカイト太陽電池の開発に取り組んでいます。
「 リコー 」は他企業や行政と連携しペロブスカイト太陽電池の実証実験に取り組み、一部は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金にも採択されています。
「 K&Oエナジーグループ 」は天然ガス事業に次ぐ第2の事業として、ヨウ素の製造を手掛けています。
選挙後も息の長いテーマに
高市政権の誕生前から、ペロブスカイト太陽電池に対する注目度は高まっていました。経済産業省は「量産技術の確立・生産体制整備・需要創出を三位一体」で進めると宣言し、30年までにギガワット級の生産体制の構築を目指しています。
市場でも早期の実用化に向けた期待が高まっており、過去にも報道などを受けて買われる場面がたびたび みられます(『軽くて曲がる太陽電池 ペロブスカイト関連株が上昇』)。
8日に投開票を迎えた衆院選では自民党が単独で定数の3分の2を超える圧勝となり、「責任ある積極財政」の推進に期待が高まっています。選挙後も注目される息の長いテーマになることが見込まれます。