投資や資産形成をもっと楽しくするためにピッタリの書籍を、著者の方とともにご紹介する本連載。4回にわたって、高衣紗彩さんの「ポートフォリオ・マネジメントで一生お金に困らない人になる!」を紹介しています。第3回目の今回は、自分にあったポートフォリオの構築の仕方をご紹介します。[PR]
初心者にオススメの資産
自分のリスク許容度以下に収まるように分散を効かせるためには、お互いが負の相関関係になっている組み合わせを見つける必要があります。プロなら自分で調べる必要がありますが、みなさんはプロではありませんから、過去の実績から最大の分散効果が得られることがわかっている組み合わせを選べば、まずは合格点を取れるでしょう。
それは以下の4つです。
・外国株式(日本を除く、先進国株式)
・日本株式
・外国債券(日本を除く、先進国債券)
・日本債券
日本株式と外国株式は負の相関関係が崩れていた時期もありますが、足元では復活しています。また、債券と株式は負の相関関係にあります。「両者は同時に下落することもあり、負の相関関係があるとは言えない」との意見もありますが、一時的に相関関係が正になったとしても、すぐに負の相関関係に戻るので心配は不要です。
まずはこの4つに、「金(ゴールド)」を加えた5資産でポートフォリオを構築するとよいでしょう。
また中・上級者も、まずはこの5資産で構成されるポートフォリオをつくり、それをコアとして持ちながら、リスクの高いものをサテライトとして組み入れる組み方(コア・サテライト戦略)を実践すると、リターンの安定化につながります。
中・上級者で、より高いリスクを取ることができる場合は、この5資産に、新興国株式と新興国債券をプラスした7資産を持ち、さらにこれに、国内REIT(不動産投資信託)、外国REIT、新興国REITを加えた10資産を持ちます。加えるに従ってリスクが高くなるので、ポートフォリオ全体のリスクが自分のリスク許容度内に収まるかどうかを、そのつど確認してください。
ポートフォリオ・マネジメントを継続しよう
自分にとって最適なポートフォリオを「基本ポートフォリオ」と呼ぶことにしましょう。基本ポートフォリオは、一度決めたら、金融市場の動向に応じて頻繁に変えることはしません。変えるのは市場のパラダイムが変わったとき、または自分のリスク許容度が高まったときのみで、数年は同じものを使い続けます。
基本ポートフォリオの運用を始めると、一つ問題が出てきます。せっかく自分に最適なリスク・リターン特性を持つ「組み合わせ」と「割合」でポートフォリオを組んだにもかかわらず、翌日にはその割合が変わってしまうことです。市場は常に動いていて、組み入れた資産クラスすべてが、同時に同じ方向に動くわけではないからです。
そのため、定期的に基本配分に戻すことが必要です。前述したように、これをリバランスと呼びます。リバランスをしっかり行うか行わないかで、投資の成績が分かれます。買ったあとも「ほったらかし」にはできませんが、本当の経済的自立を達成するには、これは避けられない作業です。
リバランスの仕方
リバランスの基本は、基本配分より多くなった資産クラスを売り、基本配分より少なくなった資産クラスを新たに買い増すことです。前もって決めたルールにのっとって行うことがとても重要です。
市場の動向を予測して配分を調整する
リバランスは、毎回基本配分に戻すことが基本ルールですが、今後3カ月あるいは6カ月などの中短期的な見通しによっては、一時的にわざとリバランスせずに、ある資産クラスに多く配分したり、少なく配分したりすることがあります。
基本配分より多めに配分することをオーバーウェイト、少なめに配分することをアンダーウェイトと呼びます。
戦略的にオーバーウェイトとアンダーウェイトを実行する
配分を決める際にも順番があります。まず、債券の配分と株式、そして実物資産(金)の配分を決定してから、株式の中で国内株式と外国株式の配分割合、債券の中で国内債券と外国債券の割合を決定します。
構築後もリバランスをして、経済の見通しを見極めながら、時には戦略的にオーバーウェイト、アンダーウェイトすることで、能動的に関与して資産を育てていきましょう。

