投資や資産形成をもっと楽しくするためにピッタリの書籍を、著者の方とともにご紹介する本連載。4回にわたって、高衣紗彩さんの「ポートフォリオ・マネジメントで一生お金に困らない人になる!」を紹介してきました。最終回の今回は、ポートフォリオの見直しで欠かせない「経済・金融市場の見通し」の立て方をご紹介します。[PR]
経済・金融市場の見通しを立てよう
金融市場と経済のつながりを把握する
本来、企業業績が向上して経済が成⻑しているときに株価が上がります。しかし現在は、株式市場で株価が上がると、その株高に反応して実体経済も伸びるという逆の現象が起きています。
そのため、経済状況の見通しをつけるには、金融市場(株式)が今後どうなるかを見極める必要があります。逆もまたしかりで、金融市場が今後どうなるかを見極めるためには、経済状況の見通しを立てる必要があります。
株式の今後の動きを見極めるために使える指標の一つに、足元の(現在の)株価の妥当性(割安か割高か)があります。企業の本源的(本質的)価値に対する株価の妥当性を「バリュエーション」と呼びます。以下は、バリュエーションを示す指標の代表的なものです。
・PER(株価/1株あたりの純利益):会社の利益に対する株価の割合
・PBR(株価/1株あたりの純資産):会社の資産に対する株価の割合
・配当利回り(1株あたりの年間配当金額/1株購入価額)
【株価の見通しを立てる3つのステップ】
①足元の一時点の状況を把握する
株価は日に日に変動します。今後の見通しを立てるには、まず「現在の状況はどんな要因から来ているのか?」を把握する必要があります。
②潮流(トレンド)をとらえる
トレンド要因で上がってきているのか、あるいは下がってきているのかをとらえることが重要です。
③そのトレンドが続くかどうか見極める
前提として、現在のトレンドが続くための条件は何か、またどんなトリガー(きっかけ)があったらトレンドが変化するのか、そのトリガーがいつどんな条件のもとでなら発動するのかを知っておく必要があります。
世界経済の見通しを立てる
【世界経済の見通しを立てる3つのステップ】
①世界を米国、欧州、日本、新興国の4つの国・地域に分ける
②それぞれの国・地域の経済を分析し、成⻑見通しを立てる
③つながりから全体のトレンドをとらえる(各地域の見通しを立て、各地域のつながりを考慮して、世界全体の構造はどうなるかを考える)
②と③を行うには、フレームワークを使うと構造がわかりやすくなります。
【国・地域の経済分析と3つのフレームワーク】
・マクロ経済の成⻑見通しを立てる
・ミクロ経済(企業)の成⻑見通しを立てる
・個人の動向の見通しを立てる
経済分析全般に関しては、それだけで1冊の本が書けるくらい情報量が膨大になるので、ここでは割愛します。ここではマクロ経済の見通しを立てる際に見極めるべき項目のみ挙げておきましょう。以下の要素を見るのが基本です。
・GDP成長率予測
・金融政策
・財政政策
・インフレ見通し(実質賃金上昇率)
・個人消費と設備投資
状況に応じて要因は異なってくるので、一概には言えませんが、基本的にはこれらの要素をチェックして総合的に見極めていきます。
ここでは経済の見通しを立てるための簡単なフレームワークについてお伝えしました。金融市場の見通しについては基礎知識のみお伝えしましたが、実際に見通しを立てるためには、証券分析という知識も必要になります。
投資初心者にはすぐに必要ではありませんが、ポートフォリオ・マネジメントで経済的自立を達成するには欠かせない知識です。投資経験を積むのに合わせて、少しずつ身につけていきましょう。

