AIスマートグラス ハンズフリーで日常が変化

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からだに装着して使用する小型の電子機器「ウェアラブル端末」。腕時計型の「スマートウォッチ」が代表的ですが、最近では眼鏡型の「スマートグラス」の人気も高まっています。AI(人工知能)を搭載したスマートグラスを手がけるメタ・プラットフォームズを中心に各社の動向をご紹介します。

メタがAIスマートグラスの海外展開を見送り その理由は?

今年1月、メタ・プラットフォームズ(META)が、年初に予定していた最新AIスマートグラス「メタ・レイバン・ディスプレイ」の英仏伊などへの海外展開を一時停止すると発表しました。

従来のスマートグラスはディスプレーやカメラ、マイクを内蔵し、視界に表示するデジタル情報での情報確認や撮影、通話ができる端末でした。AIスマートグラスは、視界に入るものの説明や翻訳などに関してリアルタイムでAIのサポートを受けられる端末に進化しました。日常生活のほか、物流などのビジネスシーンでも使われています。

AIスマートグラスとは?

・身体に装着して使用する小型の電子機器「ウエアラブル端末」の眼鏡バージョン
・見た目は普通の眼鏡で、一般的な眼鏡やサングラスと変わらないデザイン
・眼鏡にディスプレーやカメラ、マイクを内蔵し、視界にデジタル情報を重ねることでハンズフリーにより情報確認や撮影、通話が可能
・日常生活やショッピング、スポーツ、ビジネスシーンなどあらゆる場面で活用可能

メタはAIスマートグラスを、世界的な眼鏡ブランド「レイバン」などを展開する仏エシロールルックスオティカと共同開発しています。メタ社のAI技術とエシロールのブランド力を活かし、両社が展開するAIスマートグラスの全ブランドの販売本数は2025年に700万本以上に達しました。

今回、最新AIスマートグラス「メタ・レイバン・ディスプレイ」の海外展開を停止した理由は、米国内での需要急増や在庫不足です。

それでも、両社はAIスマートグラスの生産能力を26年末までに年間2000万本に倍増することを検討していると一部で報じられています。スマートグラスの市場拡大は今後も期待できそうです。

スナップやグーグルなども26年にスマートグラス発売へ

スマートグラス市場の拡大をにらみ、他社も開発を推進しています。

スナップ(SNAP)は25年6月、一般消費者向けのAR(拡張現実)スマートグラスを26年に発売することを明らかにしました。

同社のARスマートグラスは透明なレンズを使用したシースルー型で、手の動きや声による自然な操作を可能にしているのが特徴です。

アルファベット(GOOG)傘下のグーグルは、AI搭載のスマートグラスを今年発売する予定です。

「スマートグラスは1日中快適に着用したいと思えてこそ、真に役立つものになる」との考えのもと、ワービー・パーカー(WRBY)など複数の眼鏡メーカーと提携し、毎日身に着けたくなるスマートグラスの提供を目指します。

ビュージックス(VUZI)は、物流・倉庫など現場作業者向けの業務用スマートグラスを開発しています。

同社は25年10~12月期に世界最大級のオンライン小売企業から100万ドル規模の大量注文を受けたと発表。26年2月には倉庫業務支援に特化したスマートグラスについて、米国やカナダ、EU(欧州連合)、英国、日本での市場参入に必要なFCC(米連邦通信委員会)およびEUのCE(安全基準)の認証を取得し、商用出荷を開始しました。

クアルコム(QCOM)は3月、AIウェアラブル向け最新の半導体チップを発表しました。

高速のAI処理能力と電力効率を大幅に向上させたのが特徴で、グーグルやモトローラ・ソリューションズ(MSI)、韓国サムスン電子などが新型端末向けのチップとして採用する予定です。

近い将来、多くの人がAI搭載のスマートグラスをかけて生活するのが当たり前になるかもしれません。