経営統合の動き広がる 「地方銀行」関連株が上昇

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株式市場で「地方銀行」関連株が買われています。QUICKが選定する関連株の平均上昇率は4.0%と、東証株価指数(TOPIX、1.1%高)を上回りました(3月27日までの5営業日の騰落)。株価が上昇した5銘柄について解説します!

経営統合や株主還元などを投資家が評価

地方銀行で経営統合や業績上方修正、増配の発表が相次いでいます。経営統合は収益基盤の強化やシステム統合などによる中長期的なコスト削減効果が期待できます。利ざや改善などによる好調な業績が株主還元に結びついている点も投資家に評価され、関連銘柄の株価が上昇しました。

経営統合で規模拡大へ【名古屋銀行】

上昇率首位は愛知県を地盤とする「 名古屋銀行 」です。3月27日に静岡銀行を傘下に持つ「しずおかフィナンシャルグループ」と、2028年4月をめどに経営統合すると発表したことが好感されました。

25年12月末時点で、両社の総資産を合わせると22兆円規模と、全国4位の地銀グループとなります。

愛知県と静岡県にまたがる中京圏での収益基盤の強化や、システム統合などによるコスト削減効果などで業績拡大が期待できそうです。

なお、具体的な株式交換比率、上場廃止日などは今後発表される予定ですが、28年4月の経営統合を予定しているため、同社株は28年3月までに上場廃止になる見通しです。

業績上方修正と期末配当を引き上げ【池田泉州】

上昇率2位は大阪府を地盤とする「 池田泉州ホールディングス 」です。3月24日に2026年3月期の予想連結純利益を前期比11%増の147億円から同25%増の165億円に上方修正しました。

子会社の池田泉州銀行で、貸出金利息や有価証券利息配当金の増加により資金利益が想定を上回る見込みです。配当性向40%目安とする株主還元方針に基づき、3月期末の配当を13.5円と従来予想から3円引き上げたことも好感されました。

 積極的な株主還元や業界再編に期待

あいちフィナンシャルグループ 」は3月26日に、2026年3月期の連結純利益の予想を上方修正したうえ、期末配当を大幅に引き上げるなど積極的な株主還元姿勢を示したことが好感されました。

しずおかフィナンシャルグループ 」は名古屋銀行との経営統合の発表を受けて、規模拡大による業績拡大への期待感が高まりました。

滋賀銀行 」は、滋賀県内の企業がメインバンクと認識している金融機関としてトップシェアの地方銀行で、業界再編の期待感などから株価が上昇しました。

越境型の経営統合に広がりも

地方銀行は地域経済を支える役割を担う一方で、長年の低金利環境下で厳しい経営を強いられてきました。

しかし、日銀の金融政策の正常化で「金利のある世界」に移行したことで収益力が向上し、業界再編の動きが活発化しつつあります。

これまで地方銀行の経営統合は同一県内同士の小規模なものが主流でしたが、今回の名古屋銀行としずおかFGのように都道府県をまたぐ規模拡大を目的とした越境型の大型経営統合が広がりつつあります。今後も業界再編が加速する可能性が高く、地方銀行株は折に触れて物色されそうです。