モメンタムが日本株市場を押し上げ

カエル先生の株式相場プレイバック/ 日興フロッギー編集部平松 慶

マーケットの「温度感」がわかる連載「カエル先生の株式相場プレイバック」。今回は、衆院選を受け高値を更新した日本株市場をバリュエーションや業績面から見ていきます。

カエル先生の一言

2月の日本株市場は、衆院選での自民党大勝を受け、日経平均が大幅高となり高値更新。一方、株価の上昇に伴って株価バリュエーションも上昇しています。企業が発表した好調な決算に注目し、投資対象を探ります。

2月の日本株市場

2月27日の日経平均株価は5万8850円、前月末比5527円高でした。

月初2日の日本株市場は、前週末の米国株市場でハイテク株が売られたことを受け、半導体株を中心に売られ下落スタート。しかし、翌3日には、米国株の反発や円安を好感し、日経平均は2065円(3.9%)の大幅上昇で高値を更新しました。

そして、9日には前日の衆議院選挙で自民党が大勝したことにより、安定政権のもとでの政策推進期待が高まり、日経平均は2110円(3.9%)の大幅上昇で再び高値を更新、翌10日も買いは続き1286円(2.3%)高と連日の高値更新となりました。

月半ばには、短期的な過熱感に対する警戒から利益確定の売りが優勢となり続落する場面もあり、一進一退歩調となりました。また、米国株市場で、AI台頭によるソフトウェア企業に対する不透明感が浮上し関連銘柄の上値が重くなったことも、一部で気がかり材料となったようです。

衆院選で自民圧勝、第2次高市政権スタート

2月8日に投開票された第51回衆議院議員選挙で、与党・自民党は単独で定数(465)の3分の2にあたる310議席を超え、歴史的な圧勝を遂げました。18日には、衆院選を受けた特別国会(第221回国会)が召集され、衆参両院は本会議で高市早苗首相を第105代首相に選出し、第2次高市内閣が発足。20日に施政方針演説が行われました。

演説では「経済力」を筆頭に、技術力、外交力、防衛力、情報力、人材力、治安・安全の確保の各項目にわたって、「日本列島を、強く豊かに。」する指針が示され、「成長のスイッチを押して、押して、押して、押して、押しまくる」という意思が表明されました。今後は、7月17日(金)までの150日間国会論戦が交わされることとなりますが、その間、3月中旬の訪米・日米首脳会談、6月の「骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針」や、夏の「日本成長戦略」の発表など株式市場が注目するイベントが続きます。

株価は上昇、バリュエーションも

ここまで日経平均は、好調な米国株市場や、日本の変化・成長期待などから、昨年6月に4万円台、10月に5万円台へと勢いに乗って上昇してきました。一方、株価の上昇に伴い、投資の指標であるバリュエーションも上昇しています。

代表的なバリュエーションであるPER(株価収益率)を日経平均の予想ベースで見ると、昨年4月にトランプ関税の発表を受けて株価が3万1000円台に下落した局面には約14倍まで低下、足元では約20倍まで上昇してきています。PERの上昇により、割安感の後退や割高感もうかがえるところです。一方、主要先進国の株価指数のPER比較では、欧州の主要国並みの水準にあることがうかがえます。今後、企業業績の拡大に伴い、EPS(一株当たり利益)が増加することで、PERの割高感が後退、また、成長期待を背景としたPERの上昇余地も意識されそうです。

企業業績は堅調推移

企業業績では、2月の中旬までに、3月本決算の第3四半期(10−12月)の決算発表が一巡しました。2月本決算企業の第3四半期(6−8月)と合わせ、TOPIX採用企業の今期の累計の経常利益を集計したところ、前期比7.7%の増加となりました。

通期では、決算発表終了時点、会社予想で5.8%増ですが、QUICK予想はそれを上回る7.2%増。通期の決算発表に向けて、会社側による業績予想の上方修正が続くことが予想され、今期、来期ともに高い成長が期待されそうです。

上がっている銘柄がさらに上がる展開

株式市場では、通期の業績予想を上方修正した企業に対する株価の反応は、直近で株価が上昇した銘柄ほど、発表後に一段高となる傾向があるようです。

これは、単なる人気ではなく、業績面での「裏付けのある上昇」と考えられます。今後は、政権基盤が強化された高市政権の政策実行に注目が集まると予想されます。政権基盤がより盤石になったことで、「主役=モメンタム銘柄(勢いのある銘柄・上昇している銘柄)」に資金が集中する展開が想定されます。

以下は今期第3四半期決算で通期会社予想の上方修正を発表し、過去6ヵ月間株価が上昇し、来期経常増益予想の主な銘柄です。「モメンタム銘柄」として注目してみてはいかがでしょうか。 三井金属
JX金属
フジクラ
住友電気工業
三井E&S
アドバンテスト
住友金属鉱山
インフロニア・ホールディングス
五洋建設
清水建設