NY原油先物市場で、約3年8か月ぶりに原油価格が100ドル/バレルを突破しました。こうした原油価格上昇に加え、中東情勢の長期化などを受けて3月9日の日本株市場では日経平均は一時5万2000円を割り込みました。足元の相場状況を解説します。
3年8か月ぶりの原油100ドル突破
日本時間3月9日朝方にWTI原油先物は111ドル/バレルと節目の100ドルを突破しました。
WTIの先物価格が100ドルを超えるのはロシアによるウクライナ侵攻のあとの2022年7月以来、およそ3年8か月ぶりとなります。

プラスチック原料が減産される可能性も
また、足元の原油供給減を受けて、出光興産が基礎化学品エチレンの生産設備を止める可能性があることを取引先に通知したとの一部報道がありました。
原油を精製する過程で得られるナフサを分解することで、基礎化学品のエチレンやプロピレンなどが生成されます。これらはプラスチックの原料となり、自動車や家電、食品の包装材など幅広い製品の原材料となっています。
原油としては国内に約250日分の備蓄があり、精製すればナフサが生成されますが、ナフサとしての国内在庫は20日程度とみられるとのこと。もし生産設備の停止となれば、私たちの生活にも影響が出てくるかもしれません。
日経平均は26週移動平均が当面の下値目途か
こうした中東情勢の長期化やそれに伴う原油高・供給不安等によって、実体経済への影響も懸念され始めています。3月9日の日本株市場では一時、日経平均株価が5万2000円を割り込みました。
中期的には26週移動平均付近が下値目途の1つとなりそうですが、24年夏の日銀利上げショック、25年春のトランプ関税ショック時には一時的にそれを下回ることもありました。26週移動平均を下回る局面では当面の押し目となりそうです。

ホルムズ海峡の通過タンカー数が今後の注目点に?
イランはホルムズ海峡を「封鎖していない」と発表していますが、2月28日以降少なくとも8隻を攻撃しています。3月6日にはコンテナ船の救援に向かったタグボートがミサイルで攻撃されるなど、実質的に「封鎖」状態にあると言える状況です。
イスラエルは「イラン上空の制空権をほぼ掌握した」と語っており、ホルムズ海峡の安全もじきに確保される可能性がありますが、すべての船が安心して通過できるようになるには相応の時間がかかる見込みです。そのため、ホルムズ海峡の通過タンカー数などにより、相場も左右される展開が続くのではないでしょうか。