THE WEALTH LADDER 富の階段 資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略

今日からお金賢者になれる「1分書評」/ 日興フロッギー編集部

ベストセラー『JUST KEEP BUYING』の著者による待望の続編。富が増えるほど人は自由になれるのか? 6つの資産レベルによって最適なゴールを見つける「幸福とお金の攻略本」です。

資産「10倍」の階段を上がるたび正解は変わる。現在地を知るためのフレームワーク

軸は明快。本書で伝えたいのは「資産額によって、取るべき戦略は変わる」ということ。円換算で約150万円、1500万円、1.5億円……と、「資産が10倍になるごと」に階段を分け、そこで生じる落とし穴や支出の傾向、次のレベルへ進むための働き方・投資戦略を徹底解説します。億り人を遠くから羨むのではなく「いま自分がどこに立ち、人生に何を望むのか」をリアルに可視化してくれる本です。

興味深いのが「資産レベルによってどれだけの自由が手に入るの?」という問いへの答え。年3.7%での運用を仮定すると資産の0.01%を毎日使っても元本は減らないそうです。1億円なら1日1万円、5000万なら一日5000円は使い放題。生活費は労働収入で賄い、「0.01%ルール」で日常を少しだけ豊かにする。「富を築くには節約より収入アップが重要」と説く著者らしく、ただ我慢するだけではない、充実した人生のバランスを教えてくれます。

後半の読みどころは、資産約15億円〜150億円以上という別世界のリアルでしょうか。「自分には無関係」と思いきやノンフィクションの面白みあり。庭の手入れだけで年間数万ドルが消え、税金の支払い方法の判断ミスによる損失は10倍にも跳ね上がる。エヌビディアのCEOは「30歳に戻ったら起業はしない」とボヤき、イーロン・マスクは「励ましが必要なら起業はするな」と断言します。

また富のステージが上がれば悩みも変わります。資産形成の初期はお金で解決できる問題が多いのに、資産が増えれば「お金では解決できない問題」だらけになる。究極のところ、富を築く最大の目的は人生の決断から「お金」という変数を消し去ることなのかもしれません。作中の考察は哲学のような深みを与えてくれます。

なお、著者の代名詞である「ジャスト・キープ・バイイング(金融資産を買い続ける)」は資産150万円~1億5000万円向けの戦略だとのこと。日本での支持に応えるように、本書では松下幸之助のエピソードが飛び出すなどの目配りも嬉しい。投資の「その先」を見据えたい人に手に取ってほしい一冊です。