株式市場で「宇宙開発」関連株が買われています。QUICKが選定する関連銘柄の平均上昇率は10.7%と、東証株価指数(TOPIX、2.6%高)を大きく上回りました(4月10日までの5営業日の騰落)。株価が上昇した5銘柄とその背景について解説します!
アルテミス計画やH3の打ち上げ再開など報道相次ぐ
宇宙開発関連株上昇のきっかけは、宇宙に関するニュースが相次いだことです。
4月1日、「起業家イーロン・マスク氏率いる米スペースXが米国で新規株式公開(IPO)を申請した」と報道。
また、同日、米航空宇宙局(NASA)が主導する『アルテミス計画』で、宇宙船オリオンが打ち上げられました。6日には、地球から40万6771キロメートル離れた人類最遠地点に到達しています。
そして、10日には国内で、「政府と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、運用が止まっている国の大型基幹ロケット『H3』の打ち上げを早ければ6月に再開する方針」と伝わりました。
宇宙開発に関するニュースが相次いだことで、開発が加速するとの期待が広がり、関連銘柄が大きく上昇しました。

日仏の宇宙開発連携も追い風【アストロスケールホールディングス】
上昇率首位の「 アストロスケールホールディングス 」は持続可能な宇宙環境を目指し、スペースデブリ(宇宙ごみ)除去を含む軌道上サービスを手掛けています。
2日には、フランスの子会社が衛星の設計や製造を手掛ける仏企業と、役目を終えた衛星を安全に除去する技術を開発する契約を締結しました。同時に東京にあるアストロスケールの本社をマクロン仏大統領と高市首相が訪問し、日仏の宇宙開発の連携を強化する方針が示されています 。
6日には2027年に観測機を打ち上げてスペースデブリに接近し状態を観測するミッションの全体像を発表し、宇宙開発の加速に期待が高まっています。
衛星からの画像データを提供【アクセルスペースホールディングス】
上昇率2位の「 アクセルスペースホールディングス 」は小型衛星機器を開発しています。宇宙から地表を観測した画像データを販売する「AxelGlobe」事業は国土交通省や防衛省など官需や民需を取り込んでいます。企業の衛星プロジェクトを並走しながら支援する「AxcelLiner」は他社にない独自性のある事業となっています。
月面の水資源の探査なども
「 QPSホールディングス 」は地球観測用の人工衛星を開発し、合成開口レーダー(SAR)を活用した画像データを販売しています。
「 ispace 」は月面探査に注力しており、月の水資源の開発を目指しています。
「 Synspective 」もSAR衛星から取得したデータを販売しています。
いずれの企業も宇宙開発に必要な技術を手掛けており、世界的に宇宙開発が活発化すれば需要が高まり成長に追い風となるでしょう。
民間の宇宙開発は進む見込み
国際宇宙ステーション(ISS)は32年に運用を終了し、その後は民間ステーションが役割を引き継ぐ予定となっています。今後はより民間企業の宇宙開発への参画が進む見込みです。
高市首相は、22~25年に内閣府特命担当大臣として宇宙政策を担当していたほか、17項目の重点投資分野の1つに航空・宇宙を掲げています。政策による支援にも一定の期待ができそうです。
一方、宇宙開発関連銘柄は株価の値動きが激しい銘柄も多いため、短期的な値動きに一喜一憂せず将来を見据えた投資が必要です。日々のニュースを確認し、将来性を見極めた投資判断を心がけたいですね。