AI関連の需要続く 「シリコンウエハー」関連株が上昇

直近の値動きから見るテーマ株/ QUICK

株式市場で「シリコンウエハー」関連株が買われています。QUICKが選定する関連銘柄の平均上昇率は21.7%と、東証株価指数(TOPIX、2.5%高)を大きく上回りました(5月8日までの5営業日の騰落)。株価が上昇した5銘柄とその背景について解説します!

好調な出荷統計が背景

シリコンウエハーの関連株が上昇した背景は、好調な出荷統計です。

4月29日、半導体の国際業界団体SEMI(セミ)は、2026年1~3月期の世界のシリコンウエハー出荷量が前年同期比13%増えたと発表しました。

発表資料の中で、SUMCOの取締役は「高度なロジック半導体やメモリー半導体を含め、AI(人工知能)データセンター関連のシリコンウエハー需要は引き続き堅調。パワーマネジメント機器にも波及している」と述べています。

販売増への期待が高まるシリコンウエハー関連銘柄は、決算発表を控える銘柄が多く、先回りした物色を集めました。

シリコンウエハー需要の回復に期待【SUMCO】

上昇率首位の「 SUMCO 」は半導体向けのシリコンウエハーを手掛けています。

同社の取締役は国際業界団体の発表の中で、「多くの機器メーカーが、産業用半導体分野で改善の兆しがみられるとコメントしており、ウエハー在庫の消化が進むにつれてより広範な回復が見込まれている。26年1~3月期はスマートフォンとパソコンの出荷台数が低迷したが、それはAI向け広帯域メモリー(HBM)の需要増によるメモリー供給のひっ迫が影響した可能性を示している」と述べています。

シリコンウエハー需要を取り込むことができれば、同社の業績は改善が見込まれます。こうした業績の伸びへの期待が高まり、5月12日の26年1~3月期の決算発表を前に先回り買いを集めました。

中国に再生ウエハー新工場【フェローテック】

上昇率2位の「 フェローテック 」は半導体製造装置などに利用されている真空シールなどの輸入販売が祖業です。シリコンウエハーや再生ウエハーのほか、半導体製造装置の部品やシリコンなどの素材を手掛けています。

4月30日、中国の子会社が再生ウエハー事業の新工場の着工式を開催したと発表。収益拡大に期待が高まっています。5月15日に26年3月期の決算発表を予定しています。

決算発表への期待が高まる

RS Technologies 」は再生ウエハーが主力で、世界シェアは33%となっています。同社は5月14日に26年1~3月期決算を発表する予定です。

三菱マテリアル 」は次世代半導体向けの大型の「角型シリコン基板」を手掛けています。26年3月期の決算発表は13日に行われる予定です。

信越化学工業 」はシリコンウエハーなどの化学製品を製造・販売する化学メーカーです。4月28日、26年3月期決算と併せて自社株買いの実施を発表したのが好感されました。

いずれの企業もシリコンウエハーの需要が増えれば、業績に追い風となるでしょう。

中長期的な目線で需要拡大を見極め

他社より早く26年3月期決算を発表した信越化学工業は、中東情勢の影響を鑑み、27年3月期の業績見通しを未定としています。これから決算発表が予定されている銘柄は、保守的な業績見通しが示されることにより短期的に株価が下落する「ガイダンスリスク」に注意が必要です。

とはいえ、中長期的な目線では出荷統計の結果などからAI需要を背景にデータセンター向けの先端半導体の需要拡大は続くと予想されています。顧客の在庫改善が進めば業績拡大にも期待できそうです。業績動向を見定めた中長期目線での判断を意識しつつ、日々のニュースで最新動向をチェックして投資判断に役立てたいですね。