原油高の局面で勝ち組企業を探る

テーマで横ぐし!世界の会社を見てみよう/ 日興フロッギー編集部スタジヲ タケウマ

旬な投資テーマをもとに、関連する国内外の企業をまとめて紹介する本連載。今回のテーマは「原油」です。中東情勢の緊迫化を受けて原油価格が上昇し、株式市場にも影響が広がっています。原油高は不安材料である一方、エネルギーや資源関連など、業績拡大が期待される企業もあります。投資のヒントを探ってみましょう。

イランへの攻撃で原油価格が急上昇

2026年2月末以降、アメリカおよびイスラエルによるイランを巡る軍事的緊張の高まりを受けて、中東情勢は一気に緊迫化しました。これに対し、イランも報復姿勢を強めており、原油の輸送が止まるのではないかという不安が広がっています。

特に注目されているのは「ホルムズ海峡」。この海峡は、世界で取引される石油の約25%が通る重要なルートです。ホルムズ海峡の通航リスクが高まることは、エネルギー市場に直接的な影響を及ぼします。原油市場では、原油の供給が長く止まる可能性が意識され、3月にはWTI原油先物価格が一時1バレルあたり119ドルを突破しました。軍事衝突は今も続いており、市場の不安は強まっています。

カエル先生の一言

WTI原油先物価格とは、アメリカのテキサス州で産出される「ウェスト・テキサス・インターミディエート(West Texas Intermediate)」という種類の原油の先物価格のことです。取引量と市場参加者が多いことから、原油価格の代表的な指標のひとつに数えられています。

紛争の行方が原油や資源価格を左右

今後の原油価格は、紛争がいつ終わるかによって大きく変わります。もし早く収まれば、原油価格も落ち着きを取り戻す可能性があります。一方で、衝突が長期化した場合や、周辺国の石油生産施設への被害が拡大すれば、原油不足が続き、価格が高止まりするかもしれません。現在、ホルムズ海峡は事実上封鎖されており、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が参戦するなど緊張はさらに高まっています(3月末時点)。

また、この紛争の影響は原油だけではなく、肥料に使われる尿素や硫黄、半導体製造に必要なヘリウムなど、さまざまな資源にも広がっています。今後は食品や工場製品の価格に影響することも懸念されています。

たとえホルムズ海峡の通航が再開されたとしても、多くの石油生産施設が損傷していることから、供給の正常化には時間を要するとみられます。このため、資源価格の先行きはまだ不透明です。

日本経済への影響と恩恵を受ける企業

原油価格の高騰は日本経済にとって大きなマイナス要因となります。日本は原油の約95%を中東からの輸入に依存しているためです。原油が高くなると、ガソリン代や電気代、運送費などが上がり、さまざまな商品やサービスの値段が高くなります。その結果、私たちの生活費が上昇し、家計への負担が増加すると考えられます。

一方で、資源開発やエネルギー関連企業にとっては、原油高が業績の追い風となる可能性があります。原油・天然ガスなどを採掘・精製・販売する「 INPEX 」、天然ガス開発や石油製品の精製・販売に加え、電気や再生エネルギー事業も手掛ける総合エネルギー企業の「 ENEOS 」、資源権益を多く保有する総合商社の「 三菱商事 」「 三井物産 」などが関連企業に挙げられます。

アメリカのエネルギー企業への追い風

現在、アメリカは世界最大の産油国であり、中東情勢の悪化による原油高は、アメリカのエネルギー分野にとって追い風となるでしょう。エクソン・モービルシェブロンといった大手石油企業に加え、北米を中心とした石油・ガスの生産を行う独立系エネルギー会社のデボン・エナジー(DVN)などにも注目です。

また、中東からの供給減少により、北米の石油化学製品や肥料に対する需要が高まり、価格が上昇することも考えられます。こうした背景からダウCFインダストリーズ・ホールディングスといった石油化学・肥料関連企業の株価は年初来で大幅上昇となっています。
原油高は家計には逆風ですが、見方を変えれば投資のチャンスでもあります。ニュースの先にある伸びる企業を見極めることが大切です。

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