手取りが大きく変わる! 2026年の法改正 完全ガイド

フロッギー版 お金で得するオタク会計士チャンネル/ 山田真哉

みなさんこんにちは! 公認会計士兼税理士の山田真哉です。
2026年4月以降、多くの法改正があります。そのなかの20の改正について、ぎゅっと凝縮して大事なところだけ解説します。

お送りする内容は、以下の通りです。

・子ども・子育て支援金制度スタート
・年収の壁、106万円の壁、130万円の壁のルール変更
・ふるさと納税、iDeCoなど節税の改正と改悪
・自動車、自転車の大改正

独身税(?)、ついにスタート

①最初に取り上げるのは、ちまたでは「独身税」とも言われている(※そのわけはのちほど!)子ども・子育て支援金制度の開始です。2026年4月分の保険料から発生します。5月分の給料から引かれてくると思います。一般の健康保険料に「子ども・子育て支援金」が足されます。40歳以上の方はさらに介護保険料を合わせて給料から天引きされます。

年収200万円の方は月192円、年収1000万円の方は月959円で、年間ベースでは約2400円〜約1万1500円です。会社負担分も考慮すると年間約4800円〜約2万3000円の金額になります。

なお本来、保険料を支払い、なにか不幸があった際にリターンがあるのが保険の仕組みなのですが、今回の「子ども・子育て支援金」は、子どもを持たないとリターンを受けられません。そのため、「独身税」と言われています。一方で、子ども家庭庁は、全世代・社会全体で子育て世帯を支えることから、「社会保険の1つである」と説明しています。僕も「なぜ社会保険じゃなくて税金でやるのか」と過去に疑問を呈したのですが、その反論も子ども家庭庁のHPに出ていますので、興味ある方はご覧ください。

ちなみにこの「子ども・子育て支援金」は、2026年4月からスタートする「子ども誰でも通園制度」などの子育て支援の拡充に使われます。

続いて、会社員の非課税枠が拡大し、有利になる話です。

②まず、マイカー通勤の駐車場代・通勤手当についてです。これまで駐車場代には所得税が課税されていましたが、月5000円まで非課税になります。そして、遠距離の場合の通勤手当は、一律月3万8700円から、最大6万6400円になります。

③そして従業員への食事代の非課税枠の拡大もあります。これまで月3500円と、かなり少額だったのですが、近年の物価高騰を考慮し、月7500円まで枠が増えます。社食がある方であれば、社食が安くなる、もしくはメニューが充実する可能性が出てきます。そして深夜勤務者への夕食代補助も1回につき300円から650円になります。この食事代の非課税枠の拡大は、なんと40年ぶりの改正になります。

年収の壁、106万円の壁、130万円の壁の変更

年収の壁は、2026年1月からすでに変更になっています。簡単に説明すると、所得税は178万円まで、住民税は119万円までが非課税です。会社員やパート・アルバイトといった給与所得の方は月9万9000円以下であれば、所得税も住民税も非課税になります。ちなみに個人事業主やフリーランスの方の場合は年45万円です。

そして、扶養かどうかを判定する金額も変わります。所得税を基準として、年間136万円(月11万3000円)まで税金上の扶養でいられます。配偶者の場合は配偶者特別控除を満額が取れるのが年間169万円(月14万円)以下になります。19歳から22歳の方は特定扶養親族控除となり、年間159万円(月13万2000円)以下が税金上の扶養です。

しかし、社会保険上の扶養の基準は別にあります。それが106万円もしくは130万円、学生の場合は150万円なのですが、この社会保険の壁を意識する方が多いです。この話の流れで「106万円の壁」の改正についてもお話しします。「106万円の壁」はパートやアルバイト先の社会保険に強制加入となる壁なのですが、その要件のひとつだった「月8万8000円(年106万円)以上の場合、社保強制加入」が今年の3月に事実上撤廃されました。これ以降は、週20時間以上、雇用期間2ヵ月超の見込み、学生ではない。従業員数51人以上の要件になります。今後は「週20時間の壁」となるでしょう。⑥そして、「130万円の壁」(60歳以上・障がい者は「180万円の壁」)にも改正があります。夫や親が会社員で、妻や子がパート・アルバイトの場合、130万円以上(月10万8333円)以上で扶養から強制脱退させられます。その場合は、多くは全額自腹で国民健康保険や国民年金に加入する必要が出てきます。その結果、脱退させられないように、年末は働くのを控える、といったことが起きていました。

実は、これまでは健康保険組合によって扶養判定の基準はバラバラでした。それが、2026年4月から変わります。パート・アルバイトの方に限りますが、「労働契約書」もしくは「労働条件通知書」に書いてある見込み年収で扶養の判定するルールに変わります。契約として、あらかじめ残業時間が書いてなければ残業代を入れなくていいですし、一時的に仕事が増えたとしても、契約上年収130万円未満であれば、年末の働き控えを考えずに働くことができます(注:改正前より、一時的に増えただけであれば、パートやアルバイト先が作成する「事業主証明書」で扶養は継続することができます)。

もちろん基本給が上がったり、恒常的な手当がある、働く時間が増えたと言った理由で130万円以上ならばダメですし、通勤手当も含まれます。もし契約上、不当に低く記載してしまうと、扶養取り消しになるのでご注意ください。

その他の会社員の変更

その他の会社員の改正です。

⑦まずシニアの方、在職老齢年金の「支給停止の基準額」が引き上げられます。これまで給料+老齢厚生年金が月51万円までなら年金に影響はないものの、月51万円を超えると、年金が半分減らされていました。その基準が月65万円になりました。ですのでシニア層の働き控えが解消されることになります

⑧そして、女性活躍推進法の改正もあります。101人以上の企業は男女間の賃金差異や女性管理職の比率を公表する義務を負います。

給与の差押禁止額の変更があります。給与も差押えの対象ではありますが、生活に直結するため、差押えできない額が定められています。それが本人の場合10万円から10万7000円、家族がいる場合は、家族1人あたり4万5000円から4万8000円に増えます。これは物価高騰の影響です。

ふるさと納税、iDeCo……節税の改正と改悪

つづいて節税関係です。

⑩まず、ふるさと納税です。ふるさと納税は翌年の住民税に影響しますので、手取り額が変わります。自治体が自由に使える割合の「5割ルール」が、徐々に「6割ルール」へ改正されます。つまり、返礼品や諸々の経費を4割以内に抑えなければいけなくなります。2026年の10月から、自治体が自由に使える割合は52.5%になり、その後年々増えて、2029年10月に60%となります。返礼品の質の低下は避けられないと思います。

さらに地場産品基準が厳しくなります。この厳格化も10月以降ですから、9月までにふるさと納税をした方がお得だと思います

⑪次に、住宅ローン控除の改正です。2026年1月に改正され、すでに影響が出ています。住宅ローンの年末残高×0.7%で、新築の場合は最大5000万円、中古住宅では最大4500万円までが、住宅ローン控除の対象になります。

⑫そして不動産取得税の免除制度があります。自治体の事務負担軽減のため、税金を免除する制度がありますが、4月以降、土地に関しては、10万円未満だったのが16万円未満へ、建物に関しては23万円未満から66万円未満へ免除額が増えました。

企業型DCの課金上限にも改正があります。これまで企業型DCのマッチング拠出額は会社拠出額が上限でした。そのため、会社の拠出額が1万円であれば、自分が出せる額も1万円まででした。それが4月以降、会社の拠出額を気にせずにマッチング拠出ができるようになります。下図のケースですと、最大4万5000円まで拠出ができるようになります。この場合の節税額は3000円から1万3500円にアップします。
ちなみに2027年1月からiDeCoの掛け金の上限の引き上げもありますが、手続き自体はおそらく2026年の年末から始まると思います。iDeCoの枠を使いたい方は忘れないようにしておきましょう。

そして、個人事業主やフリーランスが対象となる改正もあります。

経費30万円ルールの改正です。経費には普通の経費、減価償却資産、一括償却資産、そして少額減価償却資産がありますが、このうち少額減価償却資産の取得価格が、4月から40万円未満に変更になりました。ですので、40万円未満のパソコンであれば、全額を経費計上することができます

自動車、自転車の大改正

続いて、自動車関連の税制改正です。

⑮買った時に払う「自動車税環境性能割」は、2026年3月末をもって廃止されます。

⑯車検の時に払う「自動車重量税」は、5月の車検からエコカー減税の基準が引き上げられます。車種によっては4月中に車検を受けた方が良いケースもあると思います。

⑰そして軽油取引税です。3月末で旧暫定税率分が消滅しましたので、軽油については1リットルあたり約17円安くなります。

⑱トラック絡みですと、貨物運送事業法の改正があります。違法な白ナンバーのトラックを利用した場合、荷主にも罰則が与えられます。

物流効率化法の改正もあります。規模の大きな「特定荷主」は、運転手の荷待ち時間の計測報告などの義務が発生します。トラック運転手の方が安全・安心して走行できるような仕組みを作ろうとしています。

⑳最後に、自転車に関する改正です。2026年4月から自転車の反則行為に反則金が取られるようになります。16歳以上が対象です。携帯電話を操作しながらの走行は1万2000円、信号無視は6000円、傘をさしながら、イヤホンしながらだと5000円、歩道を走ると6000円などと言った反則金が科されることになります。もちろん、警官に指導されてすぐ直せば、ただの指導で終わります。それを無視すると、反則金が発生します。詳しくはこちらの記事をご確認ください。

なお、取り上げた際に反響が大きかったのが、歩道を通行したら反則金という話です。そもそも、歩道を通行できるのは、道路標識がある場合、13歳未満もしくは70歳以上、一定の身体障がいを有する方、そして、やむをえない時です。道路工事をしていたり、邪魔な駐車車両があったり、自動車の交通量が多くて危ない、車道の幅が狭い、事故の危険があるといった場合は、歩道を通行して良いとされています。

今回、自動車側にもルール改正があります。自動車が自転車を追い越す際には十分な間隔を空けなければなりません。明記はされていませんが、1〜1.5m程度は空けた方が良いでしょう。そして、十分な間隔が空けられない場合は、安全な速度までしっかり減速しなければなりません。自動車が自転車の横を狭い間隔で猛スピードで走ると、違反ですのでご注意ください。

また、9月以降は、生活道路における自動車の法定速度が時速60kmから30kmに引き下げられます。

まとめ+α

最後に、主なものを改正順に並べてみました。1月に年収の壁の改正、4月に子ども・子育て支援金や130万円の壁の新ルール、経費の40万円ルール、自転車の反則金もスタートしました。9月に生活道路の最高時速が30kmになり、10月にはふるさと納税の改悪や106万円の壁の撤廃が予定されています。

以前の記事で取り上げましたが、インボイスのルールも10月から変更になります。2027年の1月にはiDeCoの上限がアップするので、その手続きが12月には必要になるでしょう。

また高校無償化が全国に適用されるのも今年度からです。僕にも高校生の娘がいまして、東京都在住なので既に無償化が始まっているのですが、意外と手続きが大変でした。高校生を持つ親御さんは手続きを頑張ってください!

というわけで2026年3月15日時点の情報でした。
よかったら今後ともごひいきに。ば~い、ば〜い!