2026年4月23日の日本株市場で、日経平均株価が一時6万円台を付けました。今回は、日経平均が6万円まで上昇した背景と目先の注目点についてサクッと解説します。
株価上昇トレンドが継続
終値で5万円を突破した2025年10月27日から、約6カ月で1万円上昇した日経平均。安定的な政権への期待と好調な企業業績を背景に株価上昇トレンドが続いています。26年3月にはイランを中心とした中東情勢の緊迫化が相場を下押ししましたが、再び高値を更新しました。

イラン情勢への警戒感弱まる
今回の上昇の背景の一つが、中東情勢への警戒感がいったん後退したことです。日本時間4月22日早朝、トランプ米大統領が期限は明示せず「協議が終了するまで停戦を延長する」ことを発表し、以前懸念されていた地上戦等への懸念がいったん和らぎました。
株式市場は、不安が強いときほど売られやすく、先行きが少しでも見えやすくなると買われやすい性質があります。今回も、リスク回避で待機していた資金が、再び株式市場に戻ってきたと考えられます。
主役は半導体関連株
今回の上昇をけん引したのが、半導体関連企業です。生成AIやデータセンター向け需要の拡大を背景に、半導体企業の業績期待が高まっています。
米国の半導体株で構成されるSOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)は、3月末の7,588ポイントから足元では9,909ポイントまで上昇。4月22日の米国株式市場でも続伸しました。この流れを受け、日本の半導体関連株にも買いが集まりました。

相場の上昇に偏りあり
ここで押さえておきたいのが、相場の上昇に偏りがある点です。その判断材料となるのが「NT倍率」です。
足元のNT倍率は15.9倍(4/23前場終値時点)と、2025年初以降で見ても高水準にあります。これは、TOPIXよりも日経平均の上昇が目立ち、特定の大型株に資金が集中していることを示しています。指数の強さと、個別銘柄の動きは必ずしも一致していない点に注意が必要です。

エネルギー問題は長期戦か
また、楽観できない材料も残っています。原油やLNGをはじめとしたエネルギー供給問題は、ホルムズ海峡を巡る情勢が混迷を極めていることから、長期化する可能性も想定しておく必要がありそうです。
WTI原油先物価格は足元で1バレル=100ドル前後で推移しており、原油価格上昇は企業にとっては原材料費や電力コストの上昇が利益を圧迫します。企業業績や個人消費への影響が顕著になれば、日経平均は上がっても、相場全体としては弱気ムードが広がる場面もありそうです。
日米の金融政策にも注目
今後の相場を見るうえで欠かせないのが、日米の金融政策のかじ取りです。
米国では、パウエル現議長の退任に伴い、ウォーシュ次期議長の発言に注目が集まっています。トランプ氏が露骨に利下げを要求する中、いつ利下げを開始するのか、どこまでマーケットと対話する姿勢を見せるのかに注目が集まります。
一方日本では、次の利上げがいつ行われるかに注目が集まっています。足元でインフレ率がやや鈍化していることやイラン情勢の見極めなどから、4月27〜28日の金融政策決定会合での利上げは見送られる公算が高くなっています。6月会合での利上げを見る向きが多いようですが、その後は国内景気への影響などを見極めるステージに入るのではないでしょうか。
節目の6万円に一時タッチした日経平均。ただ、物色に偏りがあるため、必ずしも楽観ムードとは言いにくい状況です。目先は足元で本格化しつつある26年3月期決算発表や、日米金融政策に注目が集まりそうです。