国産LNG船が建造再開へ 「造船」関連株が上昇

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株式市場で「造船」関連株が買われています。QUICKが選定する関連銘柄の平均上昇率は8.4%と、東証株価指数(TOPIX、4.2%高)を上回りました(6月19日までの5営業日の騰落)。株価が上昇した5銘柄とその背景について解説します!

 2035年に3~5隻の建造

造船関連株が上昇したきっかけは、「日本で液化天然ガス(LNG)運搬船の建造が復活する」との6月15日の一部報道です。

今治造船と川崎重工業、名村造船所の3社が合同で2035年ごろに再開し、年間に3~5隻の建造を目指すようです。

世界市場は韓国や中国が大半を占める状況ですが、価格差に対する補助など政府からの支援も見込まれ、LNG運搬船だけでなくエンジンなど舶用機器を含む「造船」に関わる企業への需要拡大期待が高まりました。

坂出工場の活用が有力視【川崎重工業】

上昇率首位の「 川崎重工業 」は1981年からLNG運搬船を建造していました。2018年に「LNG SAKURA」を関西電力と日本郵船向けに引き渡して以来建造が止まっています。建造再開には同社の香川県の坂出工場を活用する案が有力視されており、建造を主導する立場となる可能性もあります。

政府は日本成長戦略会議が6月中に策定する「官民投資ロードマップ(行程表)」に国産LNG船の建造再開を盛り込むとみられ、実際に発表された場合は注目度が一段と高まる可能性があります。

船舶エンジンの受注拡大にも期待【ジャパンエンジンコーポレーション】

上昇率2位の「 ジャパンエンジンコーポレーション 」は船舶エンジンを手掛けています。タンカー向けのエンジンも手掛けており、日本で建造されるLNG運搬船にも同社のエンジンが搭載される可能性も考えられ、受注拡大などへの期待がかかります。エンジンの燃料としてはアンモニアや水素がより環境負荷の低い脱炭素燃料として注目されており、同社も開発を進めています。

三菱造船が参加の思惑も

三菱重工業 」は子会社の三菱造船がかつてLNG運搬船を手掛けており、2019年に三井物産向けに建造した船が国内で最後とみられます。報道では同社は含まれていませんでしたが、枠組みに加わる可能性もあります。

住友重機械工業 」は造船技術の支援や船舶監視システムの販売を手掛けています。

古野電気 」は船舶用レーダーなどの航海機器や通信機器などを手掛けています。国内でLNG運搬船の建造が再開されればエンジンや造船技術、舶用電子機器など国内の関連企業にも需要が波及すると考えられ、業績への寄与が期待できそうです。

戦略17分野の投資対象へ

19日の一部報道によると、政府が成長戦略に盛り込む戦略17分野への官民投資の総額の目標は370兆円超となる模様です。

目玉となるのはAI(人工知能)を用いてロボットなどを自律的に動かす「フィジカルAI」への10.5兆円の投資ですが、LNG運搬船などの造船も成長分野の対象です。

LNG運搬船は、政府からの後押しが期待でき、業績面に寄与する時期などを見極めつつ、投資判断に役立てたいですね。