配当株投資のリアル ポイントと注意点

投資がもっと楽しくなる!日興フロッギー選書/ 杉村 富生すばる舎

投資や資産形成をもっと楽しくするためにピッタリの書籍を、4回にわたってご紹介する本連載。杉村 富生さんの「月々10 万円、年120 万円がず〜っと入ってくる毎月配当株投資」をご紹介してきました。最終回の今回は、配当株投資のポイントや注意点についてご紹介します。4回にわたり配当株投資の考え方、投資スタンス、投資ポイント、注意点などをご紹介してきました。具体的な銘柄は本書をご参照ください。[PR]

全体相場の暴落時は仕込みの絶好機となる

実戦的な配当取りのポイントとしては、①暴落時に仕込む、②決算期末の1~2カ月前から仕込むなどがあります。

まず、①の暴落時に仕込むとは、文字どおり全体相場が暴落したとき、「千載一遇の好機」ととらえて買いに入ることを指します。これには、配当取り銘柄だけでなく、日経平均株価のチェックが欠かせません。

2025年4月7日、日経平均株価は3万792円まで売られました。これは前営業日の終値3万3780円に対し、2988円安もの暴落です。アメリカのトランプ大統領が突如言い出した関税問題によるもので、世界的なパニック売りとなったのです。

このようなとき、普通の売買では「もっと下がるのではないか」との恐怖感により、買いを手控えがちです。しかし、優良株の配当株投資であれば、冷静に配当利回りを計算することによって、「待ってました大暴落歓迎!」とばかりに、買いを入れることができるのです。もちろん、このような暴落時には、できるだけ安心買いできる銘柄を選ぶ必要があります。

1~2カ月前から少しずつ仕込むというやり方もある

配当取りのポイントとして、なるべく早期に安値を少しずつ仕込むことも指摘できます。一般的に、配当利回りの高い銘柄は、2カ月くらい前より徐々に上値を切り上げていきます。これは、配当取りを狙った投資家の買いが増えていくためです。

配当株投資の場合、配当取りが確定する権利付き最終売買日までにできるだけ安く仕込めれば、配当利回りがより高くなります。

これは、前の項で述べた暴落時に仕込むことと同じ考え方ですが、全体相場の暴落、急落は滅多に起きません。これに対し、何らかの理由で株価が少しだけ下げる局面は頻繁に起きます。上昇トレンドの銘柄であれば典型的な押し目となり、安全性の高い買いタイミングとなるのです。

配当落ち日には理論価格を大きく下回って寄り付くことがある

配当株投資の場合、権利落ちというハードルが待ち構えています。すなわち、権利付き最終売買日の終値に対し、翌営業日の権利落ち日には、理論上、配当金相当分が差し引かれた価格になってしまうのです。

たとえば、権利付き最終売買日の終値が500円で50円配当だった場合、翌営業日の権利落ち日の始値は450円(500円-50 円)になります。これは理論価格と呼ばれています。

もちろん、強い銘柄はその日に配当落ち分を埋めてしまうこともありますが、そのようなケースはあまりありません。

したがって、配当落ちによって生じるマイナスを事前にカバーするには、できるだけ安い値段のときに仕込んでおく必要があるのです。

なお、配当落ちとは、文字どおり「その決算期の配当を受ける権利がなくなること」です。配当は権利落ち日の前営業日、すなわち権利付き最終売買日までに対象銘柄を現物で買っておけば、配当を後日もらうことができます。

しかし、権利落ち日以降に現物をいくら買っても、その期分の配当をもらうことはできません。この点、注意が必要です。

配当落ちとは、配当(株主優待を含む)の価値分だけ株価が下がる現象であり、これは会社が後日株主に支払う配当の原資(資金)が差し引かれることを意味します。このため理論的には、株価も配当落ち日にその分(配当相当額)値下がりするのです。

ただ、配当落ち日の始値が理論価格以上に値下がりしてしまうこともよく起こります。したがって、それを頭に入れておかねばなりません。

配当落調整金は買い方が受取り、売り方が支払う

配当落調整金は、信用取引で売買していた銘柄に配当がある場合、配当金相当額として処理される金額のことを指します。したがって、現物取引しか行なわない人には関係のない話です。

また、信用取引をしている人でも、権利付最終日までにその銘柄の建玉(ポジション)を決済すれば配当落調整金は発生しません。

すなわち、配当落調整金は権利付最終日の翌営業日(権利落ち日)、およびそれ以降も信用取引で売買した銘柄を保有した場合に発生します。配当落調整金が発生するのは信用取引には配当金が存在せず、配当金相当額を調整するためです。

信用取引において、買い銘柄を保有している場合は配当落調整金を受取り、売り銘柄を保有している場合は配当落調整金を支払います。

例えば、1株当たりの配当金が100円の銘柄を100株買い建て、権利落ち日後も保有した人には、8469円の配当落調整金が利用している証券会社より支払われる計算です。

逆に、同じ銘柄を100株売り建て、権利落ち日後も保有した人は、8469円の配当落調整金を証券会社に支払うことになります。この点、注意が必要となります。

なお、配当落調整金の税率は所得税のみの15.315%となっています(制度信用の場合)。

また、配当落調整金が発生する時期は、配当金支払日の3営業日以降とされています。