ストックオプションを売却したIT企業社長の「飾らない」資産運用(40歳Oさん)【番外編】

辛口チーフとこじらせ女子が暴く! 仮面投資女子の実態調査!/ 日興フロッギー編集部黒猫 まな子

カエル先生の一言

前回に続き、今回も番外編として仮面投資「男子」をお届けします。今回お話を伺うのは、某IT企業の代表取締役社長を務める40代のOさん。もともと「貯金派だった」というOさんが投資を始めた理由、そして前職の上場時に手にしたストックオプション(くわしくはのちほど!)と持ち株の行方について、たっぷり教えていただきました!

助手

チーフ、ものすごくいまさらな質問してもいいですか? この連載に出てくれる人って、いつもどうやって探してるんですか?

チーフ

それはね、ひそかに募集してるのよ、この世のどこかで。

助手

私たちの知らない場所でそんなことが行われていたとは……。ということは今回の仮面投資男子も公募で……?

チーフ

いんや、違うわ!!!!!!! 今回はアタシのダチのダチよ。カエルが「たまにはストックオプション持ってる人の話も聞きたいな♪」っていうから血眼で探してきたのよ!!!

助手

チーフがカエルのために動くことあるんだ……。

カエルくん

今度、ス●バおごる約束をさせられました。

チーフ

一番高くて一番デカいヤツね!!

というわけで、「仮面投資男子」Oさんに、今回も投資にまつわるお話をガンガン伺っていきます!!

Oさん(40歳) ※写真右上
東京都在住。有名IT企業で働いたのち、2年前に起業した仮面投資男子。当初は貯金派だったが、後輩の勧めで投資デビューを果たし、今に至る。過去に勤めていた会社でストックオプションを取得し、売却済み。

「投資なんて興味なし」の貯金派が、30代で投資に目覚める

チーフ

Oさんは、今の会社はご自身で立ちあげているのよね?

助手

わー、社長さんなんですね!!

Oさん

まぁ、肩書はたしかに社長ですね。社員は僕を入れて数人なんですけどね(笑)。

チーフ

アタシのダチからは「Oさんはスタートアップブームの申し子」って聞いてるけど。

一部から「スタートアップブームの申し子」と呼ばれたり呼ばれなかったりするOさん

Oさん

なんかむずがゆいな(笑)。たまたま、前職の会社が上場するラッキーなタイミングに居合わせただけですよ。

助手

居合わせたこともない私たちからすると、それだけでめちゃめちゃすごいんですが!! ちなみに前職の会社にはどれぐらいいらっしゃったんですか?

Oさん

30歳手前くらいで転職して、13年ほど在籍してました。

チーフ

投資を始めたのも、そのとき?

Oさん

そうです。転職する前の20代の頃はお金がなかったので(笑)。転職でちょっとだけ給料が上がって余裕が出てきたんですけど、当初はもっぱら貯金だけで投資はやっていませんでした

助手

何が投資を始めるきっかけになったんですか?

Oさん

新卒で入った会社の後輩ですね。そいつは会社を辞めて、自営で保険業を始めていて、僕のところにも営業に来たんです。で、「いろいろやった方がいいっすよ」みたいなことを言われて。

チーフ

まんまと営業トークに乗せられたわけね。

Oさん

そうですね(笑)。そのときに勧められたのが運用型の保険商品で、そのあとに「確定拠出年金」を始めました

チーフ

確定拠出年金ってiDeCo(イデコ)で合ってる?

カエル先生の一言

iDeCoは「個人型」確定拠出年金の通称。簡単にいうと自分で年金を積み立てていく制度です。毎月の積立金額(掛金)が、全額所得控除され、さらに運用で得た利益も非課税というメリットがあります。ただし、60歳になるまでは原則引き出せないので、短期的な資産形成には不向きです。また、受け取り時には課税が生じます。

Oさん

はい、iDeCoです。ただ、最初は個人でやっていたんですが、少ししたら会社が、「企業型を入れます」となったので、個人でやっていた人は全員そちらに乗り換えることになったんです。で、会社を辞めたタイミングで、また個人型のほうに移してます。

確定拠出年金と聞いてiDeCoを思い出せたのが嬉しい

ジュニアNISAとつみたてNISAへの満額投資

チーフ

iDeCoの次は何を始めたの?

Oさん

NISAですね。少し前まではジュニアNISAっていう子ども向けのNISAがあったので、そちらにもうちの子ども2人分、限度額いっぱいまで入れてました。

カエル先生の一言

ジュニアNISAは2016年にスタートした、0~17歳の子どものための非課税投資制度。年間80万円まで投資可能でした。2023年末で制度が終了したため、現在は新しくお金を入れることはできません。ただし、すでに投資した分については、当初の「非課税期間5年」が過ぎても、子どもが18歳になるまで引き続き非課税で持ち続けることができます。

助手

さらっと「限度額いっぱいまで」って言いましたけど、ジュニアNISAのお子さん1人あたりの限度額が年間80万円ってことは、2人だと年間160万円ですよね!? その額を毎年投資に回すのって結構すごいことだと思うんですが……。

チーフ

そうよね、月額13万円ちょっとだもんね。え、結構増えてる?

Oさん

いいかんじに増えてますよ(笑)。そのほかにも、当時「つみたてNISA」と呼ばれていたNISAにも、毎月満額3万3000円くらい入れてたので、頑張ってましたね。

カエル先生の一言

旧つみたてNISA(2018〜2023年)は年間40万円まで投資が可能でした。月額にすると約3万3333円で、Oさんはこの満額近くを積み立てていたことになります。現在のNISA制度では「つみたて投資枠」として年間120万円まで拡大されています。

助手

きーっ!! うらやましすぎる!!

チーフ

ほら、助手がハンカチ噛んじゃってる。

ぐぎぎぎぎぎぎぎ

チーフ

ちなみにNISAでは何を買ってたの?

Oさん

S&P500とオルカンです。普通ですよ。NISAは60歳前でもフレキシブルに下ろせるのがいいですね。

チーフ

「フレキシブル」ね……。ちょっとしたことにも横文字を使いたがるのはIT関係の人っぽいわ。

助手

チーフの偏見がひどい。

ストックオプションの夢と、在籍中は売りにくい「手続きの壁」

チーフ

今回、Oさんに出てもらったのは「ストックオプション」の話を聞きたいからってことだったのよね。……あのさ、そもそもストックオプションって何なの?

助手

ストックオプションが何かわかってないのに、Oさんを連れてきたんですか?!

チーフ

いいのよ、カエルに説明してもらうから。カエルーー! 説明よろしく!!

カエル先生の一言

ストックオプションとは企業が役員や従業員に対し、あらかじめ決められた価格で、一定期間内に一定数の自社株を取得することができる権利です。将来株価が上がったタイミングで権利を行使して、自社株を取得・売却することで、その差額を利益として得られます。

チーフ

じゃあ、会社から「500円」で自社株を買える権利をもらって、その株価が「1500」円に値上がりしたときに自社株をゲットして売ったら、1000円分の利益になるってこと?

Oさん

そんな感じです!

助手

さっすがチーフ! 金勘定になると理解がはやいですね!

チーフ

軽やかにディスられた気がするけど。で、ぶっちゃけいくら儲かったの?

Oさん

たしかに僕はストックオプションをもらっていて、在籍中にその会社は上場しましたし、売却もしたんですが……恩恵はあまり受けてないんですよ(笑)。

え?! どういうこと?!

チーフ

詳しく教えてもらえる??

Oさん

正直に言うと「売りたいときに売るのが難しかった」からです……。2500株ほど保有していたんですが、在籍中の売却だと当然ですけど、インサイダー取引とかに当たらないように制限があるんですよ。企業によるとは思うんですが、売っていいタイミングとか売るための申請とか。なかなか手間も多いので、退職後にようやく行使・売却しました(笑)。

助手

好きなタイミングで売れるわけじゃないんだ。

チーフ

でも、儲かる人は儲かるもんなんじゃないの?? ストックオプションに夢見たいんだけど。

Oさん

メルカリ 」さんだとストックオプションで6億円以上の資産を得たなんて話も聞きますね。あくまで上場当日の話ですが。

夢が現実になる人っているんだな。

助手

ちなみに社歴が長くて昔からいる場合だと、ストックオプションがたくさんもらえるとかってあるんですか?

Oさん

前職は関係あったと思いますね。企業が発行するストックオプションには上限があったので、基本的に入社歴の古い順に付与数が多くなる傾向にありました。それとあと、役職ですかね。

チーフ

役職が高いほうが多くストックオプションを付与されて、上場時の差額が大きくなるってこと?

Oさん

そうだと思います。僕は上場したタイミングの役職は部長でしたが、役員のストックオプションの売却益は僕の比じゃなかったですね(笑)。

助手

うわーーやっぱりストックオプションって夢があるーーー!!!!

ポイントは「愛」!! 仮面投資男子の銘柄選びの基準

Oさん

ちなみに、ストックオプションの権利はすでに行使しましたが、前職の持ち株はまだ売らずに持ってますね。

チーフ

それはなんで?

Oさん

前の会社に対しての愛みたいなものもありますね。なんかこう、応援したい気持ちというか。

チーフ

愛とは恐れ入るわ。

助手

「応援したい気持ちで株を買う」っていうのは、仮面投資女子の皆さんも言ってますよね。「推し株」的な。

チーフ

じゃあ、アンケートに書いていたスーパー「マルエツ」の運営元である「 ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス 」の株も、愛で持ってらっしゃる感じ……?

助手

マルエツの運営元ってそんなシャレた名前の会社だったんだ。

Oさん

そうです。マルエツも愛で買ってます(笑)。住んでるマンションのすぐ近くにマルエツがあって、食料品は基本的にそこで買ったりして愛用しているので、株主優待もらえると助かるなぁと思ったのがきっかけです。保有している株式数に応じて、100円優待券がもらえるんですよ。100株だと半年で30枚あるので1年だと60枚になります。買い物金額1000円ごとに1枚使えるので、使い方によっては1割引きくらいにはなりますね。

チーフ

この物価高のご時世に1割引きしてもらえるのはありがたいわ。

助手

めちゃいいパパ。

Oさん

でも今、株価を見たら買ったときよりだいぶマイナスになってるんで、優待券の額以上に損してますけどね(笑)。僕が買ったときは1株あたり1162円でした。

たとえ値下がりしていても愛で株を持ち続けます

チーフ

まぁ、それも含めて愛ってことで(笑)。でもマルエツの株を持ってる人って、この連載を長くやってるけど初登場じゃない?

助手

たしかに。小売の人気どころって「 イオン 」ですもんね。ですもんね。

Oさん

え、なんでですか? イオンっていいんですか?

チーフ

なんか知らないけど、仮面投資女子はイオンが大好きなんだよね。たしかイオンは、年2回の配当金と、買い物の数パーセントがキャッシュバックされる優待をやってるのよね。

助手

あと、イオンの専用ラウンジも使えるんですよね!!

チーフ

仮面投資女子からイオンの話聞きすぎて、イオンの株持ってないアタシたちまで詳しくなってるわ。

助手

ところでOさん的には、経営者目線でたとえば競合の株価をチェックする、ということはあるんですか? そういう会社の株をあえて買ったりとか。

Oさん

うーん……競合の株は特にないですね。やっぱり自分が使っていたり、サービスを応援したいと思ったりする会社に興味があるので、例えば「 マネーフォワード 」とか「 リクルートホールディングス 」とか、これから買うならそういうところかなと思います。

チーフ

マネーフォワードって家計簿アプリみたいなやつよね?

Oさん

そうです。つい最近、大規模な情報漏洩を起こしたので今後も使い続けるかはわからないですけど、その影響で株価が下がり気味なので、株式投資という観点で考えると、安いときに買うっていうのは一計かなと思いますよね。

助手

マネーフォワードの人にしてみれば気が気じゃないでしょうけど、そういう見方もできるんですね。

Oさん

とはいえ、ここしばらくは新たに株を買うこともなさそうですけどね……。

チーフ

あ、そうなの? やらない理由ってなんかあるの?

Oさん

投資に回せる資金の余裕がないからっていう悲しい話ですね(笑)。子どもの教育資金が今後どんどんかかってくると思うんで、これからはずっと手を付けずにいたジュニアNISAとかをガンガン解約していくターンに入る予定です。

それは恐ろしい……!!!

ちんぷんかんぷんでもいい、持つなら持っとけ「ストックオプション」

チーフ

ストックオプションの話に戻るけど、Oさんがもしも知り合いとかから「ストックオプションってもらった方がいいですか?」って相談されたら、「持っとこうぜ!」って勧める感じかしら?

Oさん

まあ、もらえるんだったら、もらっておいたほうがいいと思います。ストックオプションって、仕事のモチベーションになるだけじゃなく、株式投資への入り口にもなると思うんで。

助手

株式投資の入り口……?

Oさん

僕、前職に入社して3ヵ月でストックオプションをもらったんです。そのときに「ストックオプションってなんだよ」ってなって、初めて株について調べたんです。

チーフ

うんうん、なるほど。

Oさん

全然ちんぷんかんぷんで、あんまりよくわかんなかったんですけど……(笑)。ストックオプションを理解するためには、その前段の株式市場の仕組みの基礎を知る必要があるので、それが結局、株に興味を持つきっかけにはなったんです。

チーフ

ちんぷんかんぷんってひさびさに聞いたわ。

Oさん

僕もひさびさに言いました(笑)。それで子どもの教育資金にジュニアNISAを始めたり、マルエツの運営元の株を買ってみたりして。人生、何がきっかけになるかわからないんですけど、ストックオプションがその一つになることもあると思うんで、もらえるならもらっておいていいと思いますよ。

やっぱりめちゃいいパパだ。

チーフ

ちなみにOさんはお子さんに、今みたいな話をすることはあるの? 資産運用とか投資の大切さとか。

Oさん

ああ、しないですね……。本当はしたほうがいいんでしょうけど、何から伝えればいいのかなという感じですね。

チーフ

そうなのね。実はこの仮面投資女子に出てくれる女性陣って、ごく普通の手取りの人たちなんだけど、めちゃくちゃ資産運用してるの。で、そういう人の話を聞くと家族から金融教育受けてることがめっちゃ多いのよ。ね、助手、そうよね?

助手

ですです。その通りです。パパにお年玉で「 キリン 」の株買ってもらった仮面投資女子とか、祖父が株を持っていたから幼稚園児の頃から株価チェックしてた仮面投資女子とか。

Oさん

すごいですね(笑)。

チーフ

でしょ? ご自身もお子さんに金融教育をバッチリしてるっていう人も多いので、Oさんもそうなのかなぁと思ったんだけど……なんかいい意味で違って安心した(笑)。

Oさん

なんかすみません(笑)。

助手

いえいえ、いいんです。Oさんへの親近感が一気に沸きました!

チーフ

でも、お子さん二人のジュニアNISAとつみたてNISA満額やってたOさんに、お子さんたちは絶対感謝すると思うわ!!!!!!!!

Oさん

お金もかかってくる年頃なので、これからも馬車馬のように働こうと思います(笑)

チーフ

ホントそれよね。前回に続き、男性陣にお話を伺って、あらたな気付きがあったわ。ご協力に感謝よ!!

【本日の助手メモ盗み読み】
・チーフにストックオプションを行使済みのダチがいてよかった
・ストックオプションは入社時期と役職でもらえる割合が違う
・個別株を選ぶポイントは、「愛」。
・カエルは、チーフにス●バおごる