株主還元期待や資産効果が追い風 「百貨店」関連株が上昇

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株式市場で「百貨店」関連株が買われています。QUICKが選定する関連株の平均上昇率は11.0%と、東証株価指数(TOPIX、2.0%安)に対して逆行高となりました(6月26日までの5営業日の騰落)。株価が上昇した5銘柄とその背景について解説します!

インバウンド需要や資産効果への期待感が高まる

この週、百貨店株は複数の材料や手掛かりをきっかけに株価が上昇しました。

前週末の6月19日、アクティビスト(物言う株主)が、J.フロントリテイリングの持ち株比率の上昇を発表。これにより、同社に対する経営改革や株主還元などの要求が強まるとの思惑が浮上。

また、22日の外国為替市場で円相場が1ドル=162円目前と約39年半ぶりの円安・ドル高水準に接近。インバウンド(訪日外国人)需要が強まるとの期待が高まりました。

加えて、同日、日経平均株価が7万円の大台に乗せたことで、株高による資産効果への期待も高まりました。国内富裕層の消費意欲が活発になるとの見方も、百貨店株の追い風となりました。

前週以前に既に発表されていた百貨店各社の月次売上高が好調だったことも支援材料になったといえそうです。

アクティビスト保有で上場来高値【J.フロント】

上昇率首位は「 J.フロント リテイリング 」です。

物言う株主(アクティビスト)として知られるシンガポールの投資ファンド、3Dインベストメント・パートナーズが発行済み株式の5.10%保有したと公表。保有目的は純投資としながらも、中長期的な企業価値向上に向けて重要提案行為などを行う可能性があるとしてます。

26日には保有比率を6.35%に引き上げるなど積極投資の姿勢を受けて、企業価値向上への期待感から株価は上場来高値を更新しました。

インバウンドの高額品消費が増加【高島屋】

上昇率2位は「 高島屋 」です。前週15日に発表された5月の国内百貨店(高島屋各店および国内百貨店子会社)の既存店売上高は前年同月比13.4%増と4月実績(8.0%増)から伸びが加速しました。

気温上昇に伴い夏物衣料・雑貨に動きがみられたほか、食料品催事が好調でした。さらに、インバウンド顧客ではラグジュアリーブランドを中心とする高額品が伸びたことが寄与しました。

月次売上高の伸びが加速

松屋 」は、銀座に本店を構えるためインバウンド需要増加の恩恵を享受しやすいとみられています。前々週の8日に発表された5月の月次売上高は、銀座本店が18.2%増と、4月実績(7.0%増)から伸びが加速しました。ラグジュアリーブランドの靴やバッグ、化粧品などが好調で免税売上高が高い伸びを示しました。

エイチ・ツー・オー リテイリング 」は、関西地盤に阪急・阪神百貨店を展開しています。15日に発表された5月の月次売上高は、百貨店事業の売上高が14.7%増と4月実績(10.1%増)から伸びが加速しました。主力の阪神梅田本店、阪急本店ともに高い伸びを記録しています。

三越伊勢丹ホールディングス 」は百貨店最大手で、伊勢丹新宿本店や三越日本橋本店といった強力な旗艦店を運営しています。15日発表の5月月次では、主力店舗を抱える(株)三越伊勢丹計の売上高が前年同月比9.7%増と、4月実績(6.7%増)から伸びが加速しました。

株主還元などへの期待感高まる

百貨店業界は国内の少子高齢化による市場縮小やネット通販の台頭など厳しい事業環境に直面してきましたが、各社は富裕層向けビジネスの強化店舗改装といった構造改革を推し進めて着実に収益力を高めてきました。

そのようななかでアクティビストが株主として登場したのを機に、業界全体でROE(自己資本利益率)改善株主還元強化を通じた企業価値向上のフェーズへと向かう可能性があり、今後は月次売上高だけでなくアクティビストの動向も注目されそうです。