株式市場で「リニア中央新幹線」関連株が買われています。QUICKが選定する関連銘柄の平均上昇率は1.6%と、東証株価指数(TOPIX、0.7%安)に対して逆行高となりました(7月10日までの5営業日の騰落)。株価が上昇した5銘柄とその背景について解説します!
静岡知事が静岡工区の着工容認
リニア中央新幹線の関連株が上昇したきっかけは、同新幹線の静岡工区着工に関する報道です。
7月7日、静岡県の鈴木康友知事が、東海旅客鉄道(JR東海)が手がけるリニア中央新幹線の静岡工区について着工容認を表明しました。
同工区は着工から完成まで10年程度かかり、リニア開業は最短で2036年以降とみられます。静岡県とJR東海は18日に工事に必要な「自然環境保全協定」を締結し、年内に工事に着手するようです。
リニア開業に向けた前進があったことで計画全体の開発中止への懸念などが後退し、静岡県の工区以外で工事や開発に関わる建設会社なども思惑的な物色を集めました。

リニア車両を製造【日本車輌製造】
上昇率首位の「 日本車輌製造 」は新幹線の製造両数の国内トップで、リニア中央新幹線計画でも「超電導リニア車両L0系」を納入しています。地盤強化などに使われる杭打ち機の製造や鉄道橋の建設も手掛けています。
リニアの運行が開始すれば追加の車両に需要が発生する可能性があるほか、整備や点検、修理などの関連需要も見込まれるため、将来の収益拡大に期待が集まりました。
コンクリートパイルに注力【トーヨーアサノ】
上昇率2位の「 トーヨーアサノ 」は地盤の強化などに使うコンクリートパイル(杭)に注力しています。足元ではコンクリートパイルの出荷量低迷が長期化し、利益率が低下しているため、リニア工事の開始による需要回復に期待が高まっています。
工事には多くの建設会社が参画
「 東海旅客鉄道 」はリニアの開発を手掛けています。リニアが開通すれば東海道新幹線「のぞみ号」で約1時間30分かかる品川駅と名古屋駅を最速で40分に短縮できます。
「 若築建設 」は長野県の中央アルプスの一部工区に携わっています。
「 熊谷組 」もリニア用のトンネル新設に携わっています。
いずれの企業もリニア開通に向けて工事の進捗が加速すれば、収益への前倒し寄与が期待できるでしょう。
沿線の観光や不動産なども投資先か
JR東海は2011年に政府からリニア建設の指示を受け、14年に工事実施計画の認可を受けていました。最短で27年の開業を予定していましたが、17年に静岡県の川勝平太前知事が大井川の水資源への影響を理由に反対し、静岡工区は10年近く着工できていませんでした。リニア開通に向けた不透明感が払拭されたことで、静岡県以外で進む工事が加速する可能性もありそうです。
将来的には名古屋駅から新大阪駅まで延伸する計画もあり、ヒトやモノの移動の活発化に期待もできそうです。停車駅付近の観光業や不動産業など投資先は多くあるため、幅広い視点での投資判断を心がけたいですね。