マーケットの「温度感」がわかる連載「カエル先生の株式相場プレイバック」。今回は、先月に続き高値を更新した日本株市場を上昇の主役や物色から振り返ります。
6月の日本株市場は、中東情勢の緊張緩和で原油安が進み、安心感から高値圏で推移しました。買いは値がさ株や一部の業種が中心でしたが、今後は金利や為替の動きとともに、物色に広がりがでてくるか注目されます。
6月の日本株市場
6月の日本株市場は、中東情勢の緊張緩和を追い風に、再び高値圏を試す展開でした。日経平均株価は6月25日に7万2366円と最高値を更新。6月30日の終値は7万62円、前月末比3732円高となりました。
一方、上昇の中身は値がさ株や一部の業種に偏っており、相場全体への広がりは今後見極めたいところです。
原油安が安心材料に
6月相場けん引の主役は、中東の緊張緩和でした。米国とイランの軍事行動終結に向けた覚書合意への期待から原油価格が急落し、市場の警戒感が一段と和らぎました。
株式市場では、原油高はコスト上昇や物価高につながりやすく、企業収益や金利見通しの重しになります。逆に原油が落ち着くと、その懸念が薄れます。6月はまさに、その安心感が株買いにつながった月でした。
地政学リスクがひとまず後退したことで、投資家は「悪材料を警戒する相場」から「業績を見直す相場」へ少し視点を移しました。
買いは値がさ株や一部の業種が中心
6月は、引き続き値がさ株や一部の業種が相場を引っ張りました。
今後は、株価が出遅れている業種などにも視線が集まる場面が予想されます。
その背景には、原油安だけでなく、業績の確度を重視する動きがあります。期待だけで買われる銘柄より、実際に利益が伸びそうな銘柄のほうが物色されやすく、結果として相場の広がりにつながりやすくなるからです。
金利・為替が次の焦点
株式市場を取り巻く外部環境では、米国の物価指標やFOMC(米連邦公開市場委員会)、日本の日銀会合が意識されそうです。
日銀は6月に利上げを実施しましたが、次の利上げ時期についての示唆はありませんでした。一方、米FRB(米連邦準備制度理事会)は6月会合でタカ派(引き締め)シフトしました。
債券市場では、金融政策面が意識され日米2年金利差が拡大し、ドル円はドル高円安が進行しています。
中東情勢が落ち着きつつある中、市場の関心は金融政策や経済に一層向きやすくなると考えられます。堅調な米経済も相まって、ドル円はドル買い優勢の地合いが続きそうです。
出遅れ・低PBR
6月相場は、一部の銘柄への売買が集中し割高感が意識される場面もありました。一方、中東情勢の落ち着きで物色のすそ野が広がることも期待されます。業績が悪くないにも関わらず、株価が出遅れている銘柄が注目される余地もありそうです。
株価が出遅れている銘柄として「低PBR銘柄」が挙げられます。「低PBR銘柄」は、株価が「1株当たりの純資産(解散価値)」を下回っている、あるいは、低位にとどまっている銘柄です。
東証のガバナンス改革では、企業に「資本コストや株価を意識した経営」や「持続的な企業価値の向上」を求めています。「低PBR銘柄」は、企業価値向上策を打ち出すことで評価される可能性も考えられます。
上昇している銘柄を買う「順張り」に対して、そうでない銘柄を買う「逆張り」も意識されるところです。「出遅れ・低PBR銘柄」として注目してみてはいかがでしょうか。
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