値上げで業績拡大期待  「ファミレス」関連株が上昇

直近の値動きから見るテーマ株/ QUICK

株式市場で「ファミレス(ファミリーレストラン)」関連株が買われています。QUICKが選定する関連株の平均上昇率は7.2%と、東証株価指数(TOPIX、2.9%安)に対して逆行高となりました(7月17日までの5営業日の騰落)。株価が上昇した5銘柄とその背景について解説します!

値上げ表明がきっかけ、内需物色も追い風

ファミレス関連株が上昇したきっかけは、関連企業による値上げ検討の表明による業績拡大期待です。

また、これまで相場上昇をけん引してきたAI(人工知能)・半導体関連銘柄が利益確定売りに押され、相対的な出遅れ感のある内需関連銘柄などへ物色が移ったことも追い風となりました。

好決算と値上げ検討で急騰【サイゼリヤ】

上昇率首位はイタリアンレストラン運営の「 サイゼリヤ 」です。15日に発表した2025年9月~26年5月期の連結営業利益は26%増の133億円と大幅増益で、期末一括配当も従来予想の30円から35円に引き上げました。さらに、国内のメニュー価格について値上げを検討していると伝わり、将来的な収益力向上への期待感から株価が急騰しました。

同社はこれまで値上げに関して消極的な姿勢を示していましたが、家賃高騰などの影響により都心店舗が相次いで閉店を余儀なくされた経緯がありました。値上げの表明はポジティブサプライズと受け止められ、業績拡大期待につながりました。

はま寿司とレストランが好調【ゼンショーHD】

上昇率2位は外食大手の「 ゼンショーホールディングス 」です。牛丼店「すき家」を筆頭に、親子丼・京風うどんが主力の「なか卯」、回転寿司「はま寿司」、ファミリーレストランの「ココス」や「ジョリーパスタ」など幅広い業態を手掛けています。

26年3月期は主力のグローバルすき家が苦戦した一方で、グローバルはま寿司、レストランが2桁増益となり業績をけん引しました。27年3月期もレストラン部門などの好調が続くとみられ注目されます。

M&A戦略で過去最高益を更新【コロワイド】

上昇率3位は外食大手の 「 コロワイド 」です。積極的なM&A(合併・買収)戦略で業容を拡大しており、26年3月期は売上収益と事業利益が過去最高を更新し、27年3月期も増収増益を見込んでいます。

オーストラリアでプレミアムステーキレストランを運営するシーグラスを買収するなど、海外投資にも積極的です。30年3月期に海外外食事業の売上高構成比を30%(前期19%)に引き上げる方針を示していることも注目されそうです。

中計目標を前倒し達成、価格改定効果が発現

すかいらーくホールディングス 」は、「ガスト」や「バーミヤン」などを全国展開し、九州を中心に絶大な人気を誇る「資さんうどん」を買収したことも業績拡大に寄与しており、27年12月期を最終年度とする中期経営の目標値を1年前倒しで達成できる見通しを示すなど業績は極めて好調です。

ロイヤルホールディングス 」は、主力のファミレス「ロイヤルホスト」で2月にグランドメニューを改訂し客単価が5%程度伸びているほか、天丼の「てんや」でも25年12月のメニュー改定以降に客単価が上昇し、テイクアウトの回復で来店客も増加傾向となっています。

 「守り」の経営効率化から「攻め」の価格戦略へ

ファミレス業界は、人件費や食材費の高騰などかつてない厳しい事業環境に直面しています。一方で、各社は配膳ロボットの導入などDX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した店舗運営の効率化などのコスト削減を推進してきました。

一番値上げに縁遠い存在と目されてきたサイゼリヤが値上げ実施を示唆したことから、各社は「攻め」の価格戦略を打ち出しやすくなったとみられます。収益改善に向けた価格改定が消費者に受け入れられるか、今後の動向から目が離せません。