同じSOでも全然違う? 「通常型」と「株式報酬型」

今さら聞けない株式報酬/ 日興フロッギー編集部CHINATSU

“知っているようで知らない”株式報酬をひも解く本連載。

ストックオプションについて調べていると、「通常型」「株式報酬型」という言葉を目にすることがあります。どちらもストックオプションですが、仕組みや意味合いは大きく異なります。第3回では、この2つの違いを整理し、「自分がもらっているストックオプションは、どんな性格の報酬なのか」を判断できるようになることを目指していきましょう。

「得する? しない? ストックオプションの分かれ目」を読む

ストックオプションは1種類ではない

「ストックオプション」と一言で言っても、日本では大きく分けて2つの設計があります。ひとつが通常型ストックオプション、もうひとつが株式報酬型ストックオプションです。名前は似ていますが、目的も、もらう側の感覚も異なるものです。

通常型ストックオプションの特徴

通常型ストックオプションは、「会社が成長して株価が上がったときに報われる」設計です。行使価額は、付与された時点の株価と同じか、少し高めに設定されるのが一般的です。そのため、株価が上がらなければ価値は生まれません。

このタイプは、会社の成長と個人の成果を強く結びつけたい場合に使われます。幹部社員や、成長フェーズにある企業で採用されることが多く、「株価を上げた分だけ報われる」というメッセージが明確です。

株式報酬型ストックオプションの特徴

株式報酬型ストックオプションは、報酬としての性格がより強い設計です。行使価額は、1株あたり1円など、非常に低く設定されるケースが多く、付与された時点ですでに「含み益」がある状態になります

このため、株価が大きく上がらなくても、一定の価値を持ちやすいのが特徴です。実質的には「株をもらう」のに近い効果を持ちながら、形式上はストックオプションとして設計されています。上場企業の役員報酬などで使われることが多いタイプです。

もらう側の感覚はどう変わるか

通常型と株式報酬型では、もらう側の受け止め方も変わります。通常型は、「会社が成長しなければ意味がない」という成果重視の報酬です。一方、株式報酬型は、「役割や貢献に対する報酬を株式で受け取る」という意味合いが強くなります。

どちらが良い・悪いという話ではありません。大切なのは、「この制度は、何を評価しようとしているのか」を理解することです。

会社がこの設計を選んだ理由を考える

ストックオプションの設計は、会社からのメッセージでもあります。通常型であれば、「これから一緒に会社を成長させてほしい」という期待が込められています。株式報酬型であれば、「責任ある立場として、株主と同じ目線を持ってほしい」という意図が読み取れます。

制度を見るときは、「どちらのタイプか」だけでなく、「なぜこのタイプなのか」を考えることで、ご自身との関係が見えやすくなります。

まずは「どちらか」を把握する

ストックオプションをもらえる時に、まずやるべきことはシンプルです。それは「自分がもらえるのは、どちらのタイプか」を把握すること。どちらかがわかるだけで、制度の見え方は大きく変わります。

今回のまとめ
・ストックオプションには通常型と株式報酬型がある
・通常型は株価上昇が前提の成果連動型
・株式報酬型は報酬色が強く、安定した価値を持ちやすい
・設計の違いは会社からのメッセージ
・まずは自分のストックオプションがどちらかを知ることが重要
次回は8/12(水)配信予定です。