子どもも楽しい株式インデックス? 日経エンタメ・コンテンツ株指数とは

あなたの知らない「インデックスの世界」/ さかえだいくこ(おせちーず)須山 奈津希

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ニュースでよく耳にするものの、よくわかっていないインデックスについてお伝えする本連載。今回のテーマは、大人だけではなく子どももワクワクできそうなインデックスです。夏休みの自由研究課題にもなりますよ。

8月です。子どもたちは夏休みのシーズンです。今回はそんな夏休みシーズンに楽しんでいる方が多いと思われる産業の銘柄で構成される日経エンタメ・コンテンツ株指数をご紹介します。

日本が世界に誇るエンタメ・コンテンツ産業

エンタメはエンターテインメントを略した言葉です。エンタメ・コンテンツ産業とは、人を楽しませたり、感動させたりする作品や体験をつくり、それを商品やサービスとして提供する産業です。代表例は、アニメ、漫画、ゲーム、映画、音楽、テレビ番組、出版、舞台、ライブ、動画配信、キャラクターグッズなどです。最近では、VTuber、スマートフォン向けゲーム、電子コミック、オンライン配信なども含まれるようです。

この産業の特徴は、工場で大量生産する製品とは異なり、物語、映像、音楽、キャラクターといった知的財産(英語でIntellectual Propertyと表現されるので、頭文字をとってIPと略される)が価値の中心になることです。例えば、人気漫画をアニメ化し、さらに映画、ゲーム、玩具、衣料品、イベントへ展開すれば、一つの作品から長期間にわたって収益を生み出せます。

つまり、エンタメ・コンテンツ産業は、創造力や企画力を使って「楽しさ」や「感動」を生み出し、それを国内外の多くの人に届けるビジネスです。一般財団法人デジタルコンテンツ協会(DCAJ)の「デジタルコンテンツ白書2025」によると、2024年の日本のコンテンツ産業の市場規模は約14兆288億円となり、調査開始以来初めて14兆円を突破し、過去最高を更新しました。日本にとっては、文化的な魅力と経済的な成長力を兼ね備えた重要な産業と言えます。

筆者は先日、シンガポールの学生と交流する機会がありました。皆さん日本語が堪能で、「日本語を学ぼうと思ったきっかけは?」と尋ねると、口をそろえて「日本の漫画とアニメが素晴らしいから」とおっしゃいました。日本の漫画やアニメが海外でよく知られていることをご存知の方は多いでしょう。実際、日本発のエンタメ・コンテンツ産業は海外でも市場が拡大しており、さらなる拡大をもくろんでいます。

経済産業省は「2033年までに日本発コンテンツの海外市場規模を20兆円に拡大する」という政府目標の実現に向けて、2024年11月にエンタメ・クリエイティブ産業政策研究会を立ち上げ、2025年6月に「エンタメ・クリエイティブ産業戦略及びアクションプラン5ヵ年計画」を策定しました。その政策では「日本で創り、世界に届ける取組を支援する」ことを掲げています。エンタメ・コンテンツ産業は「国策」と言えます。

日経エンタメ・コンテンツ株指数と銘柄採用ルール

日経エンタメ・コンテンツ株指数は、日本経済新聞社が算出・公表する、日本のエンターテインメント産業を代表する企業の値動きを示すインデックスです。日本が世界に誇るエンタメ産業全体の成長を映し出す“日本版エンタメ指数”といえる存在です。指数は2026年5月に公表が始まりましたが、2013年11月までさかのぼって算出されているので、長期的なパフォーマンスも確認できます。 東京証券取引所に上場するエンタメ・コンテンツ関連企業20社で構成されます。東証プライム市場に上場している銘柄を対象に、日経NEEDS(日本経済新聞社が提供する経済・企業・金融の総合データベース)の業種分類(小分類)で、主力事業が以下の表の分類に属する銘柄、または主力以外の事業が以下の表の分類に属する銘柄で、エンタメ・コンテンツ関連企業の売上比率が10%以上あり、エンタメ・コンテンツ関連の市場シェアが高い銘柄も、時価総額を考慮したうえで採用候補銘柄になります。

時価総額と売買代金にもルールがありますが、それほど高いハードルではありません。業種分類を絞り込んでいるので、時価総額などのルールを厳しくすると銘柄選定が難しくなるからだと思われます。

毎年10月末を基準日として業種分類が合致した銘柄を時価総額ランキングにもとづいて、次の優先順位で20銘柄を選定します。

1)10位以内の銘柄
2)現在採用銘柄で23位以内の銘柄
3)未採用銘柄

時価総額の値が同じ場合は直近1年間の1日あたり平均売買代金が大きい銘柄が優先的に採用されます。構成銘柄の定期見直しは毎年11月です。定期見直し時に、特定の銘柄のウエイトが10%を超える場合は、10%以内に収まるよう調整されます。インデックスは時価総額加重平均方式で算出されます。

構成銘柄を確認

20銘柄で構成されるインデックスですので、すべての構成銘柄を確認してみましょう。

「あー、知ってる!」と思った銘柄がたくさんありませんか? 小さな子どもが遊ぶおもちゃのメーカーから子どもも大人も楽しむゲームや映画で知られる企業もあれば、多くの人が認知するキャラクターで知られる企業も採用されています。エンタメ・コンテンツ株指数と言われると随分かしこまって聞こえますが、日本人には子どもから大人までなじみ深い企業で構成された身近なインデックスです。

すでに連動ETFもある

日経エンタメ・コンテンツ株指数は2026年5月に公表された非常に新しいインデックスですが、既にETFがあります。 NEXT FUNDS 日経エンタメ・コンテンツ株指数連動型上場投信 です。

エンタメ・コンテンツ産業はヒット作の有無に業績や株価が左右されがちで、1社が常に勝ち続けられる産業ではありません。しかしながら、総じていえば日本のエンタメ・コンテンツ産業は魅力的だと思うならば、20社に分散投資できるこのETFは便利でしょう。

また、夏休みの自由研究がまだ終わっていないお子さんがいらっしゃったら、日経エンタメ・コンテンツ株指数を構成する銘柄の中から数社を親子で掘り下げて、作品、売上、株価などを調べてまとめ、楽しみながら宿題を一つ終わらせてみるのはいかがでしょうか。