投資や資産形成をもっと楽しくするためにピッタリの書籍を、4回にわたってご紹介する本連載。今回は、配当太郎さんの「仕事をやめるまでに年間120万円の配当金を手に入れる最強の株式投資」です。最終回の今回は、お金がお金を生む配当株の「選び方」をご紹介します。[PR]
判断に迷ったら「大型株」に目を向ける
配当株投資に取り組む過程で、最も頭を悩ませるのが「銘柄選び」です。
「月10万円の配当金を手に入れるためには、どの銘柄を買えばいいのか?」、「この銘柄に手を出して大丈夫なのか?」など、判断に迷うことが山のようにあります。
今回は、銘柄選びのコツとポイントに焦点を絞ります。
配当株投資では、大型株を主軸にして、早めに「株のかたまり」を作ることが重要ですが、大型株を選ぶ場合にも、さまざまな迷いが生まれます。
まずは、「大型株選び」の基準をお伝えします。
【ポイント①】参入障壁が高い業種から選ぶ
新規参入が難しい業種であれば、継続的に利益を生み出す可能性が高くなります。
その代表格は、「銀行・金融」、「商社」、「保険」、「通信キャリア」です。
【ポイント②】業界の第1位と第2位の企業を選ぶ
銀行ならば、「三菱UFJ」と「三井住友」、商社でいえば、「三菱商事」と「伊藤忠商事」など、その業界のワンツー企業が有力候補となります。
【ポイント③】3割以上のシェアを持つ企業を選ぶ
業種によって異なりますが、3割以上のシェアを占めていれば、その業種の中で「稼ぐチカラ」のある企業と考えることができます。
【ポイント④】ストック型ビジネスの企業を選ぶ
ストック型ビジネスとは、一度契約したら、契約が切れるまで継続して収入が得られるビジネスモデルの企業で、「保険」や「通信キャリア」などが代表格です。
「銘柄選びで迷ったら、大型株に目を向ける」という意識を持ち続けることが、配当株投資の「迷走」を未然に防ぐことに役立ちます。
Q.企業が発表する「IR情報」はどこを重視すればいいですか?
A1. 「配当方針」が今後の展開を把握する手がかりになります
企業が株主や投資家に向けて提供する「IR情報」の中で、注目したいのが、株主還元方針に含まれる「配当方針」です。
配当方針の解像度が高ければ高いほど、今後の見通しが立てやすくなります。
そこに、累進配当の導入が明示されていれば、配当金が減配になる可能性が低くなって、前期の実績が下限値であることを把握できます。
下限が定まっていることで、業績が上振れた場合に、どれくらいの還元余地が生じるのかを把握しやすくなります。
中期経営戦略で3年間の「キャッシュアロケーション」を提示している場合も、企業の稼ぐチカラを見るための重要な情報源となります。
キャッシュアロケーションとは、企業が事業活動で得た現金(キャッシュフロー)や資金調達した資本を、どのような割合で、「成長投資」や「株主還元」、「財務健全性の維持」などに配分するかというお金の使い道を示しています。
例えば、ある企業が3年間で1兆円のキャッシュインを見込んでおり、5000億円を成長投資に振り分けて、残りの5000億円を株主還元に充てると明記されていたとします。
毎年1000億円を配当金として支払っていれば、3年間の合計額は3000億円ですから、残りの2000億円は自社株買いに充当されることが推測できます。
将来的な増配や自社株買いの可能性を把握することで、「それならば、今の株価のうちに買っておこう」という判断が可能になるのです。
A2.企業の「誠実さ」の有無を読み解くことが大事です
IR情報を見て、企業のキャッシュインとキャッシュアウトの内訳が具体的であれば、将来を見据えて、「現在の株価で、株を買っておいた方がいいのか?」についての判断材料になります。
キャッシュアロケーションや配当方針の数字の具体性は、投資家が企業の還元姿勢を正しく理解するためには不可欠な要素といえます。
企業によっては、「機動的に自社株買いを行う」と公表しながら、実際にはいつまで経っても実行に移さない場合もありますから、定期的に企業の動向をチェックすることが大切です。
企業が自社株買いを完遂できない背景には、合併などの社内事情や法律上の制限によって、実施できない期間が生じるなどの理由もありますが、これまで継続していた自社株買いを、ある株価水準で急停止させる行為は、企業が自ら、「現在の株価は割安ではない」と公言していることと同じです。
自社株買いを実施する意思がないにもかかわらず、投資家には株の購入を期待する姿勢は、結果的に「株主を軽視する企業」という印象を与えることになります。
IR情報には、多種多様な企業情報が盛り込まれていますが、個人投資家が最も重視すべきことは、それらの情報を通して、そこに企業の「誠実さ」が存在するか否かを見極めることだと思います。

