買収観測や好業績で注目 「中堅・中小証券」関連株が上昇

直近の値動きから見るテーマ株/ QUICK

株式市場で「中堅・中小証券」関連株が買われています。QUICKが選定する関連株の平均上昇率は約6.6%と、東証株価指数(TOPIX、2.0%高)を上回る力強い動きとなりました(8月28日までの5営業日の騰落)。関連する5銘柄とその背景について解説します!

韓国大手の買収観測と、相場活況による好業績が追い風

中堅・中小証券株上昇の背景には、大きく3つの要因があります。

1つ目は東証株価指数(TOPIX)が最高値近辺まで上昇するなど株式相場が活況を呈していること。

2つ目は相場の活況を受けて各証券会社の2026年4~6月期決算が軒並み好調だったこと。

そして3つ目が業界再編の思惑です。韓国経済新聞は26日、韓国の金融大手、未来アセットグループとトス証券がそれぞれ日本の証券会社の買収を検討していると報じました。その後、未来アセット証券は韓国の電子開示システム(DART)を通じて、日本の証券会社買収を検討していることを公表しました。

日本の中堅・中小証券をターゲットとしたM&A(企業の合併・買収)への思惑が高まり、投資家の資金が向かいました。

投信販売の好調などで大幅増益【丸八証券】

上昇率首位は愛知県を地盤とする「 丸八証券 」です。

7月末に発表した4~6月期決算は純利益が前年同期比4倍の3億8500万円となりました。株式相場の活況を追い風に、地域密着の強固な顧客基盤を活かした営業展開が奏功して、投資信託の募集・販売手数料、株式の委託手数料が大きく伸びました。

時価総額が低い地場証券ということで、買収観測の思惑も絡んで株価は急伸しました。

トレーディング損益が大きく改善【光世証券】

上昇率2位は「 光世証券 」で、自社の資金で有価証券を運用する自己売買(ディーリング)業務に注力しています。

7月末に発表した4~6月期決算は最終損益が2億1000万円の黒字(前年同期は1800万円の赤字)に転換しました。株高の恩恵を受けてトレーディング損益が大幅に改善しました。

ディーリング主体ながら業界再編のターゲットになり得るとの思惑から資金が向かいました。

株式委託手数料やトレーディング収益が伸びる

関東を中心に店舗展開する「 水戸証券 」の4~6月期決算は、地域密着型の対面営業という強みを発揮し、株式の委託手数料や投資信託の販売手数料が順調に推移し、大幅増益となりました。

準大手証券の「 岡三証券グループ 」の4〜6月期決算は、良好な株式相場環境を背景に、外国株式に係る委託手数料やトレーディング損益が伸び大幅増益となりました。

準大手証券の「 東海東京フィナンシャル・ホールディングス 」の4〜6月期決算は、株式委託手数料の増加、信用取引収支などが寄与し大幅増益となりました。

成熟産業に再評価の余

証券各社にとって新NISAスタートによる「貯蓄から投資へ」という投資マネーの流入が追い風となっています。そこに今回、韓国大手証券グループによる買収検討というニュースが飛び込んできたことで、これまで成熟産業とみられがちだった日本の証券業界に再編の機運が一気に高まりました。

各社の強みである顧客基盤や店舗網が再評価されるとみられ、今後のM&A動向と相場展開から目が離せません。