数字から企業の「リアル」がわかる! 未来を読み解く決算書

今日からお金賢者になれる「1分書評」/ 日興フロッギー編集部

Voicy870万回再生の人気パーソナリティが伝授する決算書の読み方決定版! 「株価の成長シグナル」を感じ取る思考法を手に入れたいならぜひ。

「分解・比較・なぜ」で決算書を攻略。勝てる企業を見抜く思考法

投資初心者ながら、決算書の重要性には気づいていました。一方、「ROEが高いから買い」「営業利益が減ってるからやめとく」程度の聞きかじりの知識で判断するのは絶対に違う! とも思っていました。そんな足踏みを一蹴し、決算の解像度を一気に引き上げてくれる一冊です。

決算書の前提は「何を・どこで・どのように」で構造を捉えること。「分解・比較・なぜ」で数字のウラを探ること。難しそうに聞こえるかもしれませんが、本文のカジュアルな対話を読み進めるうちに肝となる思考回路がだんだんと形作られていく。数字アレルギーにこそおすすめしたい一冊です。

「自己資本比率が高い=安全で優良」というお決まりの指標を紐解いてみましょう。ここで任天堂の「80.2%」が登場しますが、驚異の自己資本比率はヒットの波が激しいゲーム業界ならでは、とも。不振時でも次のハード開発を続けるための防衛策になっており、同社の底堅さを表しているといえます。

IT業界も自己資本比率は高めで90%超えの企業も少なくない。その中で、メルカリはITなのにわずか「18.3%」。表面的に見ると「これはマズいのではないか?」と判断したくなりますが、落ち着いて貸借対照表を深掘りすると解釈が反転します。負債の正体はユーザーの「預り金」。メルカリはサービスが使われるほど負債が膨らむ構造で、自己資本比率の低さはビジネスが強い証拠でもあったのです。

同様に、三菱UFJなどの金融機関も「顧客の預金=負債」のため自己資本比率は低い構造です。教科書的なルールに惑わされず、数字のウラの「稼ぐ構造」まで見抜いてこそ、決算書は使える武器になるというたとえでした。

このほか、国内の喫煙率低下の中で売上を1.5倍に伸ばしたJTや、コロナ禍中にカラオケ「まねきねこ」を積極出店したコシダカHDの戦略など、初心者が見誤りがちな「数字の謎」を解き明かしていく本書。決算書から企業のストーリーが立体的に浮かび上がってくるあたりも読んでいて楽しい。従来の断片的な知識による「イマイチな分析」から卒業できるかもしれません。