みなさんこんにちは! 公認会計士兼税理士の山田真哉です。
最近は地震や豪雨などの自然災害が全国各地で発生しており、いつ誰が被災してもおかしくない時代になりました。僕自身は、阪神・淡路大震災の時に自宅が全壊しているため、防災の意識は高い方だと思います。というわけで、今回は平常時から知っておきたい防災の知識をまとめてみました。
お送りする内容は、以下の通りです。
・0円でできる防災
・防災グッズは全部自腹で買わなくてよい
・2026年11月に防災対応が変わる⁉
実際に被災したら(お金関係)
まず、「実際に被災した際に何をするべきか」についてお話します。
被災した後の数日は非常に慌ただしくなると思いますが、被害状況の記録をしましょう、というのが1つ目です。
片づける前に壊れた壁や部屋、床、車、家具、家電、そして水害の場合は浸水した水の高さがわかる部分、汚れた跡の写真を撮っておきましょう。罹災証明書の取得や保険金の請求、そして税金の申告で必要になります。
2つ目は、市区町村で「罹災証明書」を取得することです。公的支援を受けるためには、この罹災証明書が必要です。罹災証明書には、全壊や半壊、準半壊、一部損壊などの区分があります。一次調査は外観の目視だけで判定されることが多いので、納得できない場合は再調査を申請しましょう。僕は、この罹災証明書のおかげで大学の学費が免除されました。
3つ目は保険会社への連絡です。加入している保険が対象かどうかも含めて、電話して確かめましょう。なお、保険金を請求する際は、必ずしも罹災証明書が必要になるとは限りません。
そして4つ目、公的支援です。まず国の制度には、被災者生活再建支援金という制度があります。これは、災害で住宅に大きな被害を受けた世帯の生活再建を支援する制度です。被害の程度や世帯構成、住宅の再建方法などに応じて支援金が支給され、最大300万円の支給を受けられるケースもあります。
ただ、家が全壊しても、もらえるのは300万円ですので、実際のところ再建するには自己負担か、お金を借りてなんとかするしかありません。ちなみに我が家が全壊した時は支援金制度がなく、義援金の分配100万円をいただきました。家の解体費用は国・自治体から出してもらったので、非常にありがたかったですが、最終的には自己責任なのだなと、強く感じました。
話を戻します。支援金は中規模半壊以上が対象です。一方、準半壊以上であれば住宅の応急修理制度は使えます。2026年度の場合、半壊以上で75万7000円以内、準半壊で36万7000円以内の修理費用が出ます。直接、施工業者に支払われて、工事費用から差し引かれます。こちらも申請しないともらえませんので、被災された場合は市区町村の窓口で申し込んでください。さらに、自治体独自の見舞金などもあります。
また、5つ目、税金面での優遇制度もあります。2026年に被災した場合、翌年の確定申告(2月16日~3月15日)で税金が戻ってきます。「雑損控除」と「災害減免法」という2つの方式があり、有利な方を選択できます。ざっくり言えば、所得が多い方は雑損控除、所得が少ない方は災害減免法の方が有利になりやすいです。実際に被害に遭われた方は税務署などにご相談ください。ただ、そもそも納税をしていないと還付や減税はありませんので、ご留意ください。
0円でできる防災
次に「0円でできる防災」を紹介したいと思います。
まず1つ目は、「ハザードマップ」を見る。各市区町村からマップが配られている場合もありますが、ネットで「お住まいの市区町村 ハザードマップ」と入力すれば、出てきます。今回、初めて実家のハザードマップを確認したのですが、土砂災害警戒区域でした。
さらに、最近話題になっている、下水道などの排水が追いつかない「内水氾濫」もハザードマップで確認することができます。特に3mを超える浸水想定区域の場合、2階の床まで浸かる可能性があるとわかります。
続いて2つ目、火災保険の「水災」の有無を確認してください。水災には、洪水や内水氾濫、高潮はもちろんのこと、土砂崩れや落石、土石流、融雪洪水も入ります。僕の実家は土砂崩れの可能性があるので、水災に入った方が安心ということになります。
一方、水災補償の対象とならないものとして、津波や、雨漏り、給排水設備の事故による水漏れがあります。津波による損害は一般的に地震保険の補償対象です。また、給排水設備の事故による水漏れは、水災ではなく火災保険の水濡れ補償などの対象となるケースがあります。補償内容は契約によって異なりますので、一度確認してみるとよいでしょう。
なお、水災の支払い条件は、保険会社や加入した年代によっても違うようです。床上浸水か45cm超の浸水、もしくは損害割合が30%以上でないと保険金が支払われないタイプがあり、我が家が入っていた火災保険はまさにこれでした。最近では、免責ゼロ円で実損払いといった補償が手厚い火災保険もあるようですが、その分保険料も高いと思います。今のうちからどういう場合に保険金が支払われるのか確認しておくとよいでしょう。地震保険は別途入らないと補償されません。
また、マンション住まいの方は、管理組合が入っている火災保険を確認した方がよいと思います。僕の知り合いが住んでいるマンションのエレベーターが、水害で故障してしまったそうなのですが、火災保険の水災に入っていなかったため、全額管理組合から払わなければならなくなり、大規模修繕が遅れたという話を聞きました。
続いて3つ目、自動車保険の車両保険の範囲を確認してください。そもそも車両保険に入っていないと補償はされませんが、水害による損害が補償対象となっているかを確認することも大切です。ちなみに僕の場合は、一般の補償で地震・噴火・津波の補償はありませんが、台風、竜巻、洪水、高潮については補償されていました。地震・噴火・津波による損害については、別途特約が必要なケースが多いようです。ただし、補償内容や支払限度額は保険会社や契約内容によって異なり、十分な補償を受けられない場合もあります。
ちなみに水害で車がダメになった時、保険を使うと等級が下がって保険料が上がるため、軽微な被害であれば保険を使うかどうか悩む方もいらっしゃると思います。しかし、台風・洪水・盗難・落書き・飛来物などによる損害は、一般的に通常の事故よりも等級への影響が小さい事故として扱われることが多いようです。保険会社や契約内容によって扱いは異なりますが、こうした被害に遭った場合は、保険を利用した場合の保険金額や翌年以降の保険料への影響を確認したうえで判断するとよいでしょう。
防災グッズは全部自腹で買わなくてよい
最後に、「防災グッズは全部自腹で買わなくてよい」という話をします。
まずおすすめなのが、ふるさと納税です。防災セットや避難セットなどの身を守るためのグッズや、停電に備える照明や電池、断水に備える簡易トイレや水なしで全身が洗えるシャンプー、浄水器などもふるさと納税の返礼品にあります。そしてなんといっても食料や水の備蓄品ですね。これらはふるさと納税でゲットすることができます。
僕は、ふるさと納税の枠が余っていると、簡易トイレを返礼品としてもらっています。僕が被災した時に一番困ったのがトイレだったので、とにかくトイレは大事という思いがあります。我が家には、近所に配れるぐらい簡易トイレがあります(笑)。
そして、とくに2026年のおすすめは、熊本県八代市です。トイレットペーパーがふるさと納税の返礼品として出されています。もちろん、直接、現金での寄付は素晴らしいと思います。しかし、被災した熊本にふるさと納税をして、防災のための備蓄品を入手するというのもアリだと思います。
また、水害対策として自動車専用脱出ハンマーは非常に便利ですので、持っていない方はふるさと納税で手に入れることができます。ちなみに僕は、ふるさと納税でポータブル電源と太陽光パネルをゲットしています。1回しか使ったことはないですが、非常に安心です。
ふるさと納税は、自分で選んだ自治体に寄付をすると、寄付額のうち2000円を超える部分について、一定の上限まで所得税や住民税の控除を受けられる制度です。自治体によっては返礼品も受け取れます。控除を受けるには、確定申告またはワンストップ特例の手続きが必要です。
ふるさと納税以外では、株主優待でも防災用品や備蓄品を手に入れることができます。
たとえば「 セコム 」では、100株以上の保有で防災備蓄品、さらに3年以上保有すれば非常食セットも選べます。また、建設建築用の資機材の製造販売会社、「 エスイー 」は、2000株以上の保有で防災用品をもらうことができます。100円ショップを展開する「 ワッツ 」も、200株以上の保有で防災グッズの詰め合わせがもらえます。FX会社の「 ヒロセ通商 」の株主優待は、レトルト食品が多いので、備蓄品になると思います。さらに、「 日清食品ホールディングス 」の株主優待には、カップ麺などの商品詰め合わせもありますので、個人的にはおすすめです。
そして、自治体から防災グッズを無料でもらえたり、格安で購入することができたりします。
例として、2025年には杉並区が区民向けに防災用品の配布事業を実施しました。3000円相当の防災用品がカタログで選べました。このような情報が出たら、申し込みを忘れないようにしてください。水戸市では、津波や洪水の浸水想定区域に居住する方などへ防災ラジオが無料で貸与されるそうです。
また、無料ではないのですが、江東区や世田谷区など、防災用品を安価で斡旋してくれる自治体もあります。世田谷区は区民だけでなく、勤務先が世田谷区の場合でも購入できます。東京都内では、多くの自治体で行っています。正直、保存水や保存食はネットでの購入の方が安いこともありますが、防災グッズは市区町村の斡旋で購入する方が安いようです。
さらに、支援してくれる自治体が多いのが「感震ブレーカー」です。地震があった時に自動的にブレーカーを落としてくれるもので、鳥取、静岡、徳島、愛媛など多くの市区町村が支援しています。
また、耐震工事費用の5分の4、もしくは3分の2まで出してくれる自治体もあります。ただし、多くは、工事の前に申請しないと対象外ですので、お気をつけください。
いずれも、すべての自治体で行われているわけではないので、お住まいの自治体の支援を確認する必要があります。これらは知らないと申し込めずに終わってしまいますので、知っておくことがなにより大切です。
2026年11月に防災対応が変わる!?
今回の内容を作成するにあたっては、資料を集めたり、情報の裏付けを取ったりするのが普段以上に大変でした。防災に関する制度や支援策を所管する省庁が複数にまたがっているためです。
そうした状況を踏まえ、2026年11月から防災関係を集約した「防災庁」が設置される予定です。
防災庁ができれば、こういった情報がより分かりやすく整理され、必要な人に届きやすくなるのではないかと期待しています。というわけで、今回の記事、あの人にも教えてあげたいなということがあれば、ぜひ共有していただけると嬉しいです。
というわけで、2026年8月22日時点の情報でした。
よかったら今後ともごひいきに。ば~い、ば〜い!