その不動産は「投資」か「投機」か? 不動産Gメンの異名を持つインフルエンサーが、歪んだ市場構造に切り込みます。持ち家VS賃貸論争からワンルームマンション投資まで、人生の各ステージで役立つ「資産防衛」のための新バイブルです。
知識があれば8割防げる! 甘言の裏に潜む不動産のリアル
世の投資本の多くは、即行動したくなる「アクセル系」と問題提起で立ち止まる「ブレーキ系」に分かれますが、本書の役割は圧倒的に後者でしょう。「大家さんデビュー」に浮かれる背中に冷や水を浴びせるような側面があります。いわく、「不動産トラブルは知識があれば8割は防げる」。業者の甘言に惑わされず、損をしないための知識をこの本で手に入れましょう。
業者の甘言の最たるものが、手軽さで人気の「ワンルームマンション投資」のくだりでしょうか。年収500万円前後でもフルローンを組めて、管理お任せでおまけに節税にもなると言われれば、購入してみたくもなります。しかし、その実態は、すでに販売価格に10〜30%業者の利益が上乗せされている! つまり、買った瞬間、数百万円の含み損からのスタートになるのです。不動産投資のセオリーは「利回り6%以上」といわれますが、ワンルームマンション投資は3〜4%台の物件も多く、注意ポイントです。「節税効果」の甘言も、恩恵を受けられる分岐点はおよそ年収2200万円! なのだとか。一般的な会社員にとっては、損を先送りしているだけという笑えないケースになることもある、と言います。
一方、ブームの「タワマン投資」の実力はいかほどか? 実は儲けた外国人投資家たちは2012年頃に仕込み済み。プロに言わせればタワマンブームは既に周回遅れで、エリアによっては利回りが2%を下回る。保有するだけで赤字の垂れ流しで「値上がりするのを祈るしかない」投機状態になっている物件もあるのだとか。また、忘れてはならないのが40階以上のタワマンの解体実績は日本国内に1件もないということ。建て替え費用はディベロッパーすら把握できていないという、計算不能のリスクが潜むことも心しておきたいものです。
本書では、不動産投資のほか「持ち家か賃貸か」という永遠の論争にも踏み込み、業者が購入を煽る「手数料のカラクリ」を暴きます(ちなみにプロである著者は賃貸派)。売買と賃貸でケタが違う業界のインセンティブを知るだけでも、人生最大の取引で損するリスクは激減するかもしれません。家購入を考えるならば、まず守りを固めるために必読の本と言えそうです。